マレーシアの娯楽大手、ゲンティンに投資する オリエンタルランドを上回る成長力

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9
拡大
縮小

カジノの独占・寡占が崩れるリスクに注意

予想PERも14.4倍と割安です。時価総額が1兆円以上とすでに、かなりの規模となっているところは気にかかりますが、欧米のカジノリゾート運営企業には米国サンズ社など3兆円以上の時価総額を誇る企業もありますから、海外事業の拡大に成功すれば、一段の成長も見込めるでしょう。

シンガポールにあるゲンティン社のリゾート、「リゾート・ワールド・セントーサ」は先ほど紹介した「ゲンティン・ハイランズ」と打って変わって洗練された都市型リゾートの趣ですし、マニラのカジノリゾートも新たにホテルを建設していくようです。

カジノ事業が免許制であるため、各国政府との緊密な関係性を維持していけるのかという点に注目する必要があります。マカオでは、1社独占であったカジノ事業が外資系にも解放されました。マレーシアではゲンティン1社のみ、シンガポールでは米国サンズ社とゲンティン社の2社のみ、マニラではゲンティン社など4社のみという現在の独占・寡占態勢が崩れると、収益性は大きく損なわれ、企業価値も棄損してしまいます。

通常の財務データのチェックに加えて、こうした国々でのカジノ免許に関する報道を注視するようにしてください。ゲンティン社は、SBI証券や、楽天証券で購入できます。

次回は、シンガポールのオススメの投資先を紹介します。

岡村 聡 フィナンシャルプランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おかむらさとし / Satoshi Okamura

夫婦で投資アドバイザーの会社「S&S investments」を経営。有料の個別相談から、個人投資家向けのファイナンシャルリテラシー向上を目的としたセミナー、ビジネス誌やマネー誌を中心とした雑誌などメディアへの執筆・出演、個人投資家向けの書籍発行、海外移住等のアドバイスにいたるまで幅広い分野をこなす。シンガポールに営業拠点を設立、2013年からは常駐、現地で子育ても。夫で社長の聡氏は「半年日本、半年海外」のペースでアジアを中心に世界を飛び回りつつ、個人投資家の海外投資のアドバイザリー業務を本格化へ。

■東京大学大学院修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て、2010年に株式会社S&S investmentsを設立、代表取締役に。著書に『完全レベル別30~50代のための海外投資「超」入門』(小社刊)など。

この著者の記事一覧はこちら
岡村 さとみ フィナンシャルプランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おかむらさとみ / Satomi Okamura

夫婦で投資アドバイザーの会社「S&S investments」を経営。有料の個別相談から、個人投資家向けのファイナンシャルリテラシー向上を目的としたセミナー、ビジネス誌やマネー誌を中 心とした雑誌などメディアへの執筆・出演、個人投資家向けの書籍発行、海外移住等のアドバイスにいたるまで幅広い分野をこなす。シンガポールに営業拠点を 設立、2013年からは常駐、現地で子育ても。夫で社長の聡氏は「半年日本、半年海外」のペースでアジアを中心に世界を飛び回りつつ、個人投資家の海外投 資のアドバイザリー業務を本格化へ。

■早稲田大学大学院修了。外資系証券会社の自己勘定部門で約6年間、クオンツ取引に携わる。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT