スペシャリティ・ケミカルメーカーとして、次なる成長のステージへ KHネオケム株式会社
Top Interview
さらなる成長に向け、KHネオケムならではの挑戦を続けていきます。
― 2014年9月に社長に就任されて以来、積極的に改革を進めていらっしゃいます。その狙いはどこにありますか。また現在までの手応えはいかがですか。
浅井 協和発酵キリングループの化学品事業会社という位置付けのときには、収益についてもどこか、グループ全体で見ればいいというところがありました。しかし、そこから独立した以上、自分たちで売り上げや収益も作っていかなければなりません。人事、経理・財務、法務、ITといった機能も独自に構築する必要がありました。
そこで私は、PDCAサイクルにのっとり年3回、15ほどある部門と「事業戦略会議」を開催し、各部門長と直接目標設定を行い、目標と実績を確認し管理するようにしました。
併せて人事制度や評価制度も大幅に変えました。新たな仕組みも導入しています。たとえば「チャレンジポスト」制度は、社内の部署で人材が必要となった場合、全社に呼びかけ、自ら手を挙げた者を積極的に異動させるもので、実際に、工場から本社へ異動になり、早速戦力になっている者もいます。
改革の取り組みは道半ばですが、徐々に成果が生まれ、社員の意識も変わりつつあると感じています。
― 台湾に設立した合弁会社の事業開始に伴い、アジア市場でのニーズに応えることも期待できそうです。有望な市場だけに海外の競合企業の参入も考えられますが、そこで優位性を発揮するには。
浅井 台湾プロジェクトは現在、19年以降の営業運転開始を目指して準備を進めているところです。
アジアの新興国では今後、可塑剤の原料に対する需要が急速に高まると期待できます。ただし、こういった汎用的な製品は、価格競争にさらされやすいのも事実です。当社では16年度から3カ年の中期経営計画を策定していますが、この中で、18年までに固定費を5~10%削減する目標を掲げました。これにより筋肉質な経営体質に変わり、海外勢の安価な製品にも対抗できる競争力が確立できると考えています。
― 持続的な成長のために、今後、どのような取り組みを進めていく計画ですか。
浅井 3カ年の中期経営計画は、むろん3年で終わるものではありません。今後10年間を視野に入れた施策を描き、実行していきます。
まず16~18年はコアビジネスを強化する3年間です。次の19~21年では、台湾のプロジェクトを中心に、強くなったビジネスを世界で展開します。その後3年はさらに上のステージへ上がる時期です。このころまでに、営業利益も1.5倍以上に伸ばしたいと考えています。
先ほど、固定費を5~10%削減すると言いましたが、新たな成長のための投資は惜しみません。新規事業を中心とした研究開発や、成長品目の機能化学品の設備強化には、積極的に投資していきます。次世代を見越した事業のタネもいくつか生まれています。今後も、新たな用途開発と海外展開という縦軸と横軸で事業を推進していきます。
BtoBメーカーであるため、当社の事業はなかなか見えづらいかもしれません。しかし、独自の技術や取り組みを進め、国内外において個性のあるユニークなポジションを確立し、存在価値を高めていきます。
「化学の力」で、よりよい明日を実現する。これからも、地球市民として社会に貢献していくKHネオケムに、ぜひ引き続きご期待いただきたいと願っています。