聞く・読む・話す・書く
「4技能測定のスタンダード」へ
TOEICテストは10年ぶりの改革で「何が」かわったのか

テストの名称変更に表れるIIBCの強い意思
「TOEICテスト」は1979年に第1回公開テストが実施された。英語によるコミュニケーション能力を測るテストとして広く普及し、2015年度は過去最高の255万6000人に達した。企業・団体・学校などでもTOEICプログラムは広く採用されているのは多くの人が知るところだろう。
その「TOEICテスト」が2016年8月に「TOEIC Listening & Reading Test」(以下、TOEIC L&R)へ名称を変更する。
「TOEIC Speaking & Writing」も「TOEIC Speaking & Writing Tests」(以下、TOEIC S&W)へ変更となる。英語4技能を総合的に測定できることをわかりやすく伝え、「4技能測定のスタンダード」を目指すというものだ。

上図を見てもお分かりのように、最も象徴的なのは「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測定するテストを明確に打ち出し、それらを「TOEIC Tests」としたことだ。この新ブランドの設定はIIBCの目指す方向性を体系的に表している。
2016年5月の公開テストより、出題形式を一部変更した。変更は10年ぶりということもあり、大きく注目された。雑誌などで「新TOEIC対応法」といった特集が組まれたほどだったが、それに対し、山下常務理事は「『大改訂』といった報道もありましたが、私たちは『アップデート』と呼んでいます。出題形式の一部は変更されましたが、試験時間のほか、評価スケール(10点〜990点)問題のクオリティ、難易度などに変わりはありません」と説明する。
これまでどおり、信頼性と妥当性が高く、公平性が担保されるというわけだ。