経営戦略フォーラム
オーナー経営の事業承継論
エムレイス

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【特別講演】
圧倒的なマッチング力を誇るM&Aアドバイザーが語る、
『成功するためのM&A戦略』
~最適な譲渡先候補企業と出会えるM&Aとは~

エムレイス
ゼネラルマネージャー
伊東 修

中小企業経営者向けにさまざまな経営ソリューション事業を展開するレイスグループの中においてM&Aサービスを専門に手掛けるエムレイスの伊東修氏は、M&Aの市況を解説。企業経営者の約6割が60歳以上で、20年以上前には9割を占めた親族間承継が今では6割に減り、約40万社もの企業が事業承継に深刻な悩みを抱えているという推計を示した。一方で、M&A成立件数は年間2000~3000件程度にとどまるとみられ、「ニーズは多くあるものの、M&A市場は動いていない」と結論。併せてM&Aが進まない二つの理由を挙げた。

一つは、売り手が自社の価値を正しく理解していない問題だ。中小企業の価値は、時価純資産とマーケットバリューからなり、特にマーケットバリューについては、中小企業の場合は「相対で決まる」ため、出合う相手によって評価が大きく異なってくる。会社が持つ固有の技術だけでなく、人的資産、たとえば建築業での各種施工管理技士や調剤薬局での薬剤師など、確保が難しい有資格社員の価値も大きい。伊東氏は「経営者自らがマーケットにおける自社の価値を正しく把握することが重要。当社では、独自の視点から算出する企業価値の診断サービスを無料で提供しています」と訴える。

第二の理由は、価値がわかる相手に出合えていないという問題だ。税理士や会計士、金融機関の担当支店などは、限定的されたエリア、限られたネットワークの中で対象先を選定するため、最適な相手を見つけられるとは限らない。また、M&A担当者と経営トップとの間にもM&A(特に投資判断)に対する認識の差がある場合が多いので、経営トップに直接コンタクトすることも重要だ。伊東氏は「全国レベルで、広くさまざまな業種の企業から最適な候補先を探索し、経営トップの意向を直接確認すべきである」と強調する。

その伊東氏が具体的な事例として挙げたのは、あるブライダル会社の案件。同社の顧問税理士やメーンバンクが算出した譲渡目安価格を大きく上回る金額で取引を成立させた。譲渡先の企業オーナーに当該エリアでの婚礼事業に乗り出す計画があったことが大きな要因だったという。また、ある不動産管理会社の案件では、その会社が所有する一等地の土地に隣接する土地を持つ買い手を見つけたことで、当初の譲渡価格を大幅に上回るM&Aとなった。

エムレイスが、譲渡企業にとって最適なマーケットバリューを引き出せるのは、レイスグループの事業活動を通じて、7000社超のオーナー企業トップとの間に構築した全国ネットワークが背景にある。伊東氏は「これを通じて、事業拡大の機会をうかがう経営トップの意思を把握しているので、最適かつ強い買い手をすぐに紹介することができます。M&Aは、事業を正しく引き継いでもらうための一世一代の営業活動です。決して他人任せにせず、戦略的な活動を通じて譲渡先を探すことが大切です」とアピールした。