日経平均は小幅に4日続伸も「安値引け」 戻り売りや利益確定売りで伸び悩む

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 6月30日、東京株式市場で日経平均は小幅に4日続伸。欧米株が連日で上昇するなど、外部環境の持ち直しを背景に市場心理が改善。写真は都内で27日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に4日続伸。欧米株が連日で上昇するなど、外部環境の持ち直しを背景に市場心理が改善。東京市場は朝方から買い優勢となり、日経平均は一時200円を超す上昇となった。ただ買い戻しが一巡すると次第に戻り待ちの売りに押され、日経平均は引けにかけて上げ幅を縮小し安値引け。TOPIXは小幅安に転じた。

序盤はメガバンクなどの金融株や自動車・電機など主力輸出株が堅調に推移し、日経平均は1万5781円まで上昇。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて急落した24日の下げ幅の61.8%戻し(1万5746円97銭)を達成した。

ただ急ピッチな戻りの反動もあり、次第に上げ幅を縮小。買い気配スタートとなったトヨタ<7203.T>や三菱UFJ<8306.T>などは後場に入り下げに転じた。買い戻し一巡感に加え、日経平均1万5500円を超える水準は価格帯別出来高が多く、戻り売りや利益確定売りなどが出やすいという。

円高一服感を強めていたドル/円<JPY=EBS>が1ドル102円台後半でこう着したことも、日本株に対する慎重な見方につながった。

一方、東証REIT指数<.TREIT>は前日比1.68%高と3日続伸し、終値で英国民投票前の23日の水準を回復。日銀による追加緩和期待に加え、高い利回りが投資家の資金を呼び込んでいるという。

市場では「英国のEU離脱決定を受けて、米利上げ時期が遠のいたとの見方から世界的に金利が低下。高利回りのエマージング債や米REITなどに資金が向かっており、投資家の利回り指向が強まっている」(みずほ証券・投資情報部長の倉持靖彦氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、三菱重工業<7011.T>が大幅続伸。子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発する旅客機「MRJ」をめぐり、量産工場では2017年から月1機のペースで生産すると報じられたほか、大和証券による投資判断引き上げなどが材料視された。

東証1部騰落数は、値上がり861銘柄に対し、値下がりが968銘柄、変わらずが138銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      15575.92 +9.09

寄り付き    15752.71

安値/高値   15575.92─15781.69

 

TOPIX<.TOPX>

終値      1245.82 -1.87

寄り付き    1262.42

安値/高値   1245.82─1264.4

 

東証出来高(万株) 212956

東証売買代金(億円) 22611.41

 

 

 

 

(杉山容俊)

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