まず、チャレンジを!
失敗したら、もう一度挑めばいい
学生時代は急ぐことなく
好きなものを見つける
吉久 ところで先生は、大学や大学院時代、どのような学生だったのでしょうか。
飯島 大学時代は山登りやオーケストラで音楽ばかりやっていました。しかし、若い頃は自分が将来何をやろうかと考える時期であり、急ぐことなく興味のあることにチャレンジしたらいいと思っています。私は4年生の夏休みが終わってから物理の材料研究をやろうと決め、それからは一直線に突き進みました。好きなことなら打ち込めますから、若い人にはぜひ自分のいちばん得意なものを見つけてほしいです。もし失敗したら、戻ってまた出直せばいいんです。その勇気が大事なのです。
吉久 やはり、自分が夢中になれるものを見つけることですね。好きなもの、興味が持てるものを見つけると、学生は一生懸命勉強するし、徹夜だって苦にしません。ちょうど今、本学では初年次に「フューチャー・スキルズ・プロジェクト」という産学連携の講座を実施しています。学生に将来の目的を自覚させ、専門分野の勉学に興味や関心を抱かせることを目的とした講座で、「MS‐26」で謳っている「主体的な学び」の姿勢を養うことにもつながります。
飯島 名城は素直な学生が多いから、成果が期待できるでしょう。
グローバルに世界を見て自らチャレンジを!
吉久 本学が文理融合型の総合大学であるメリットも大きく、文系、理系の学生は相互交流を通してそれぞれの考え方、物の見方を理解することができ、人間形成にも役立っています。
飯島 学生にいろいろなことに触れる機会を与えることは大事ですね。そのなかから興味のあるものを見つければ、あとは放っておいても大丈夫です。自分が100%の力で挑戦できるものを見つけてもらう。大学教育の本質はそこにあると思います。
吉久 さらに、世界へ飛躍できる人材を育てたいですね。そのためには、飯島先生のようなグローバルに活躍する先生の指導を受けたり、自ら留学したり、学内で留学生と交流できる環境整備も必要です。
飯島 私自身は大学院のときに初めてオーストラリアに行きましたが、世界とじかに触れる経験は意義が大きいと実感しました。そして、単に語学力だけでなく、コミュニケーション力を磨くのが大事です。
吉久 私たちも学生に海外を経験してほしいと、奨学金を給付する海外英語研修を毎年実施しているのですが、選考が大変なくらい応募があり積極性を実感しています。学生は、ちょっと背中を押してあげると一歩踏み出せるんですね。大学の限られた時間を有効に活用して多様な経験をし、人間力を含めた実力を身に付けて、生涯学びを楽しみ続ける人材に育ってほしいと思います。
飯島 私が学生に贈る言葉は「チャレンジ、挑戦」です。自分の能力に全力で挑む大切さは、人生においてすべてに通じるんじゃないでしょうか。そして、人との出会いも大事で、私は大学、大学院、アメリカ時代、そして帰国してからとそれぞれ恩師がいて道が開けました。そのためにも、自分から積極的に行動し、チャレンジし続けることが大切です。私自身も、まだまだ好奇心を持って挑戦していきます。