メディアは“プラットフォーム"と
どう付き合うべきか
コンテンツ流通のメソッドは激変している!
【トレンドセッションⅢ】
急成長メディアが実践する
プラットフォーム別の活用事例
webメディアのデータ分析に特化した「メディア・インサイト」を提供するユーザーローカルの山田真紗義氏は、SNS上での拡散と記事への流入が強く相関するというデータを示したうえで、SNS上での拡散を起点にニュースアプリに掲載されたり、検索される回数も増えるというプラットフォームの相互作用を指摘。さらに「プラットフォームは継続的に新規読者にリーチできる場であり、長期的にも重要な役割を持つ」と続けた。そのプラットフォームを有効に活用するためには、山田氏は「プラットフォーム側のルールに従うことが原則」と強調。たとえば、各プラットフォームが推奨するコンテンツ形式の違いなどを紹介した。最後にデータ活用について「自社の変更可能な要素を明確にしてからデータを計測し、SNSへの投稿回数など改善しやすいところから取り組むべき」と話した。
【ディスカッション】
スマホプラットフォームが目指すもの
最後にニュースキュレーションアプリのグノシー・福島良典氏とスマートニュース・藤村厚夫氏が対談。高速表示の仕組みを刷新したスマートニュースの藤村氏は「新しい読者とつねに出会いがあり、出会った読者に深くエンゲージしてもらうことが重要」と述べた。アプリで触れた記事から、媒体ブランドを意識し、媒体の読者になってもらうためには、媒体側も自ら、ユーザーの反応や動きを分析すべきと訴えた。
「ユーザーにアクティブになってもらうには、アプリの使い勝手が大事」と指摘した福島氏は、通信制限がかかった状態でもテキストだけ読めるグノシーの取り組みに触れ、「必ずしも通信環境が良くないモバイル端末のユーザーに、メディアのコンテンツをどう届けるかを考える必要があります」と語った。
メディアの関心が高い課金について、藤村氏は「ユーザーは、コンテンツにお金を払う意思は高くないが、利便性には払うので、われわれとメディアが組む意義があると思います」と、課金の可能性を示した。福島氏も「広告だけで、コンテンツを充実させるには、規模が必要になります。課金の形を探さなければならないでしょう」と応じた。