東洋経済オンラインとは

メディアは“プラットフォーム"と
どう付き合うべきか コンテンツ流通のメソッドは激変している!

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
メディア企業の戦略を描くうえで欠かせない情報流通プラットフォームの最新動向を探る「東洋経済オンラインメディア戦略セミナー」が5月、東京・港区で開かれた。冒頭、東洋経済オンラインの山田俊浩編集長が「コンテンツの流通経路は変化が激しく、新技術への対応は重要です。マネタイズも多様な道が生まれています」とあいさつ、開会した。

主催/東洋経済新報社
協賛/アドビ システムズ、日本マイクロソフト、ユーザーローカル

【キーノートセッション&公開インタビュー】
アマゾンのメディアビジネス戦略

アマゾン・ジャパン
代表取締役社長
ジャスパー・チャン

アマゾン・ジャパンのジャスパー・チャン氏は「メディアをもっと面白くしたいと思っています」と述べた。スタートからの事業である本の領域では、紙の書籍のほか、デジタル版、プリントオンデマンド、オーディブルといった多彩な選択肢を顧客に提供。配送料を含むトータルな価格の安さや、配送スピードの追求のほか、直接取引拡充で在庫切れによる販売機会損失を減らすなど、商品購入しやすい環境を整備する。

東洋経済オンライン編集長
山田俊浩
(オープニング/インタビュアー/モデレータ)

また、有料会員制プログラム「アマゾンプライム」で展開する、追加料金なしで楽しめるビデオやミュージックのサービスを強化する考えも示した。映画の「アマゾン・スタジオ」のようなコンテンツの直接制作の今後について問われたチャン氏は「いろいろな可能性がありますが、まずはお客様がアマゾンに期待するものを充実します」と語った。

【トレンドセッションⅠ】
“デジタル”を武器にしたメディアから
プラットフォーマーへのゲームチェンジ

アドビ システムズ
アドビ グローバルサービス 統括本部 ソリューション コンサルティング本部
マーケットディベロップメント エンジニア
熊村 剛輔

アドビシステムズの熊村剛輔氏は、顧客接点やライフスタイルの多様化といった変化を踏まえた、今後のマーケティング活動について提案した。効果的なマーケティングの展開には「大きな分析だけでなく、小さな分析をして、PDCAをつねに高速で回さなければなりません」として、多様なメディアから収集したデータを分析、顧客をセグメント化したうえで、パーソナライズされた情報・コンテンツを提供する必要性を訴えた。さらに、メディア側とクライアント側の双方のデータをつなぐことで、広告・PRのパフォーマンスを高められる可能性に触れた熊村氏は、メディアからマーケティングのプラットフォーマーへシフトするメリットを強調。同社が提供する、分析、実行、ノウハウの提供といったデータ基盤のツールを紹介し、「高速化のために一貫性のある基盤が重要」と語った。

【トレンドセッションⅡ】
コンテンツ・クラウド時代の
Azureを活用したメディア戦略とその実現

日本マイクロソフト
デベロッパーエバンジェリズム 統括本部
テクニカルエバンジェリズム本部
テクニカルエバンジェリスト
畠山 大有

マイクロソフトの畠山大有氏は、動画等のコンテンツ戦略について検討した。ビデオはファイルが大きく、それを扱うインフラ構築にはコストがかかる。同社のクラウドサービス「Azure」には、動画コンテンツ配信専門サービス「Azure Media Services」があり、配信に必要なコア機能を一通り提供。たとえば、エンジニアが十分にいなくても、多くの視聴者を惹き付けられるスポーツのライブ配信を行うことが可能だ。会場で撮影したビデオを配信するデモを行い、その手軽さをアピールした畠山氏は、欧州のサッカークラブのファン向けアプリを紹介。動画配信履歴からファンが多い地域がわかり、アプリを通して購入した商品、ソーシャルメディアでの発言のデータで、ファンの嗜好や関心も把握できる。畠山氏は「多様化するユーザーへの理解がサービス強化につながる」と述べた。

【スペシャルセッション】
グローバルプラットフォームが目指していること

グーグル
プロダクトパートナーシップ本部
ストラテジックパートナー
ディベロップメントマネージャー
魚住 潤一

グーグルの魚住潤一氏は、モバイルページを高速表示するAMP(Accelerated Mobile Pages、アンプ)プロジェクトについて説明した。AMPは「サイトの起動時間が3秒以上かかると約40%のユーザーがそれ以上の閲覧を断念してしまう課題をみんなで解決しよう」というグーグルの旗振りでスタート。データ量を削減する技術などを使い、ページの起動の大幅な高速化を図った。メディアは、コンテンツ供給先によって異なるプラットフォームに合わせる技術対応が不要になり、課金などマネタイズの仕組みも自社でコントロールしやすくなる。

東洋経済オンライン副編集長
武政 秀明
(コーディネーター)

グーグル以外にも多くのプラットフォームが対応を始めており、魚住氏は「コンテンツが見やすくなれば閲覧も増えます。複雑な技術でもなく、皆さまの参加を期待しています」と訴えた。

【トレンドセッションⅢ】
急成長メディアが実践する
プラットフォーム別の活用事例

ユーザーローカル
コーポレートセールス
山田 真紗義

webメディアのデータ分析に特化した「メディア・インサイト」を提供するユーザーローカルの山田真紗義氏は、SNS上での拡散と記事への流入が強く相関するというデータを示したうえで、SNS上での拡散を起点にニュースアプリに掲載されたり、検索される回数も増えるというプラットフォームの相互作用を指摘。さらに「プラットフォームは継続的に新規読者にリーチできる場であり、長期的にも重要な役割を持つ」と続けた。そのプラットフォームを有効に活用するためには、山田氏は「プラットフォーム側のルールに従うことが原則」と強調。たとえば、各プラットフォームが推奨するコンテンツ形式の違いなどを紹介した。最後にデータ活用について「自社の変更可能な要素を明確にしてからデータを計測し、SNSへの投稿回数など改善しやすいところから取り組むべき」と話した。

【ディスカッション】
スマホプラットフォームが目指すもの

スマートニュース
執行役員
藤村 厚夫

最後にニュースキュレーションアプリのグノシー・福島良典氏とスマートニュース・藤村厚夫氏が対談。高速表示の仕組みを刷新したスマートニュースの藤村氏は「新しい読者とつねに出会いがあり、出会った読者に深くエンゲージしてもらうことが重要」と述べた。アプリで触れた記事から、媒体ブランドを意識し、媒体の読者になってもらうためには、媒体側も自ら、ユーザーの反応や動きを分析すべきと訴えた。

Gunosy
代表取締役
最高経営責任者CEO
福島 良典

「ユーザーにアクティブになってもらうには、アプリの使い勝手が大事」と指摘した福島氏は、通信制限がかかった状態でもテキストだけ読めるグノシーの取り組みに触れ、「必ずしも通信環境が良くないモバイル端末のユーザーに、メディアのコンテンツをどう届けるかを考える必要があります」と語った。

メディアの関心が高い課金について、藤村氏は「ユーザーは、コンテンツにお金を払う意思は高くないが、利便性には払うので、われわれとメディアが組む意義があると思います」と、課金の可能性を示した。福島氏も「広告だけで、コンテンツを充実させるには、規模が必要になります。課金の形を探さなければならないでしょう」と応じた。