米国の高級バーガーが過熱、7000円も登場 新鮮な肉を使ったグルメバーガーが人気化
米国最大の牛肉卸売業者の1つであるカーギル[CARGIL.UL]によれば、高級なグルメバーガー人気は、同社が3月にサウスカロライナ州にある牛ひき肉加工工場の購入を進めた要因の1つだという。
米国はすでに牛肉を使ったハンバーガーの最大消費国であり、主要な消費者調査会社である米NPDグループによると、2015年は1人当たり30個を食べたことになる。2位はオーストラリアで、1人当たり24個だった。
こうしたレストラン業界は、より健康的でおいしいハンバーガーに惜しげもなく金を使う新たな顧客を取り込もうとしている。
シカゴの繁華街にあるシェイクシャックでは、ダブルチーズバーガーの価格は約8ドル(約870円)なのに対して、マクドナルド<MCD.N>のそれは2ドル程度だ。一方、ラスベガスのマンダレイ・ベイ・カジノ内のレストランで提供されている和牛とトリュフ、フォアグラを使ったグルメバーガーの価格は65ドル(約7000円)に上る。
マクドナルドでさえ、自社のバーガーに冷凍肉ではなく、新鮮な牛肉の使用を検討する気にさせられている。同社の広報担当者はロイターに対し、テキサス州ダラスにある14店舗では新鮮な肉を試験的に導入していると語った。
ハンバーガー市場は成長の余地が十分にある。ファイブガイズやスマッシュバーガーのような有名グルメバーガーチェーンは世界で計2500店舗にも満たない。一方、マクドナルドやバーガーキング[BKCBK.UL]の店舗は計5万店舗以上ある。
牧場の牛も増加
トレンドの変化に伴う需要増によって、すぐに供給が滞るわけではないと、食肉業界の専門家は指摘する。
米国産牛肉の今年の生産量は2015年の237億ポンド(1075万トン)から4%増の246億ポンド超になる見込みだ、とコロラド州にある家畜市場情報センターは予測している。
数年にわたる干ばつのせいで、2014年には63年ぶりの低水準となった牛の個体数が改善しているのに伴い、牛肉の生産量も増加している。水が十分に供給されるようになった現在、米牧場経営者はより体重のある牛を生産している。
「需要を満たすのに十分なくらい供給量が増えたのだと思う」と、コンサルティング会社スターリング・マーケティングのジョン・ナリブカ社長は語った。
(Theopolis Waters記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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