IoTで進化する
オムニチャネル・リテイリングの
最新トレンド

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パートナー講演
これからのクロスチャネル
コミュニケーションで使える
プライベートDMP

堀内健后
トレジャーデータ
マーケティング担当
ディレクター

 自社の顧客データと、サードパーティのオーディエンスデータを統合して預かり、各顧客に応じた広告配信、マーケティング、CRMを実現する「プライベートDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」を運営するトレジャーデータの堀内健后氏は「データ解析の世界をシンプルにして、ITのグローバルジャイアントに勝てるようにしたい」という同社の事業を説明した。同社DMPは、膨大な生データをクエリ分析して、ほかのシステムと連携しやすい機能的なデータセットを取り出すことで、クロスチャネルコミュニケーションや機械学習を使った顧客分析を効率的に行えるようにする。分析結果を連携することで、購買可能性の高い人や、ジオフェンス機能を使って店の近くに来たことがわかった顧客にターゲティングした広告を配信することも可能になっている。また、ウェブの履歴などから退会の予兆をつかみ、ロイヤルカスタマーの離反防止キャンペーンの対象にするといった取り組みもできる。堀内氏は「オープンな環境で、多彩なパートナー企業と仕組みをつなぐことで、さまざまなことができるようにしていきたい」と述べた。

事例講演Ⅰ
Soup Stock Tokyoにおける
新たな営業・経営情報の管理と分析
~クラウドテクノロジーが可能にする、小さな投資から始める継続的なシステム構築~

佐藤一志
スマイルズ
経営企画本部 情報システム部
副部長 兼 経営企画室

 Soup Stock Tokyoなどを展開するスマイルズの佐藤一志氏は、クラウドサービスAzureを活用した業務システム開発について語った。同社では、既存の業務システムが寿命を迎えつつあったが、大規模なシステム更新を行うには情報システム部門の人員が足りていない状況にあった。そこで購買・店舗・販売などの業務ごとに分割したアプリを作る方式、たとえば、購買と店舗のアプリをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)でつなぎ、発注システムを組み立てるといったやり方で開発を始めた。これは「マイクロサービス」と呼ばれる手法で、案件をコンパクトにすることで「業務にかかわる少数のプレーヤーだけを集めて作れる」「1件あたり開発コストが安い」「インフラ規模を調整しやすい」「サービスの連携性が高い」といったメリットがある。Azureはビジネス系エンジニアが使いやすいWindows系環境で、サービスコンポーネントも充実しており、マイクロソフトの新ERP、Dynamics AXについても「多くのAPIが初期から使える点やPower BIとの連携性が高い点などが気に入っています」と評価した。

事例講演Ⅱ
ロボット×クラウドがもたらす未来の小売業

吉田健一
ソフトバンクロボティクス
事業推進本部本部長

 労働人口減に伴う人材難、インバウンド観光客への外国語対応、台頭するeコマースに対するリアル店舗の価値、といった小売業の課題について、ソフトバンクロボティクスの吉田健一氏は感情認識パーソナルロボットPepperを使ったソリューションを紹介した。Pepperはレンタルで小売業向けにも提供され、800社以上が導入。家電量販店ではコーヒーマシンの販売や外国語でのフロア案内など、接客に活用されている。人間型ロボットとして人の注意を引きやすく、顧客エンゲージメントを高められるので、人件費ダウンと売り上げ・顧客体験アップを実現する。また、接客相手の年齢層・男女別や感情などさまざまなデータを収集でき、購入データと組み合わせて、接客スタイルごとのコンバージョンレートも出せる。マイクロソフトとのパートナーシップでは、Pepperとデジタルサイネージなどを組み合わせ、クラウドAzureと連携を進めている。吉田氏は「会話を作るチャットボット、機械学習などの人工知能をはじめとするクラウドのサービスとPepperの掛け算で、かなりのことができるようになっています」と、未来型店舗の可能性を示した。