デジタルマニュファクチュアリングが
製造業を変革する
コニカミノルタが実現する「新しいものづくり」の形とは?
今回、コニカミノルタが日本からハノーファー・メッセに参加した理由は、同社が上述のような環境変化の渦中にある製造業の課題を解決するため、「デジタルマニュファクチュアリング」を提唱しているからだ。デジタルマニュファクチュアリングとは、"独自のテクノロジーとICTの融合で生産プロセスにおけるさまざまな情報を解析・蓄積・共有。現状分析から経営指標までさまざまな視点で情報を活用して、効率的な生産拠点の経営を実現する"次世代の生産体制を指す。デジタルマニュファクチュアリングによって、ものづくりのパラダイムシフトが実現するのだ。
コニカミノルタが実現する
新しい「ものづくり」の形

常務執行役 生産担当
浅井真吾 氏
ハノーファー・メッセにて、常務執行役・浅井真吾氏は「これまで培ってきたノウハウやコア技術を活用し、ものづくりのワークフローを革新していく。今回の出展を機に、コニカミノルタの世界観と関連技術を紹介し、アライアンスパートナーを開拓したい」と語る。コニカミノルタのデジタルマニュファクチュアリングがめざすのは、IoTの活用による人や場所、国、変動に依存しない新しいものづくりのプロセス。同社が強みとして持つ光学や画像処理、精密加工といったコア技術を活用することで、計測、検査機器や動体モニタリング、ウェアラブルデバイスなどのユニークな製品を開発。そうした製品とICT技術を組み合わせることで、独自のデジタルマニュファクチュアリングを提供していく。
その一例として今回展示されたソリューションを紹介しよう。


メガネ型のウェアラブルディスプレイ「ウェアラブルコミュニケーター」は製造業や物流業において、現場の作業者の目視情報とデジタル情報をリンク。遠隔地と視界を共有しハンズフリーの作業を支援することで、作業精度と効率を向上することができる。「3Dレーザーレーダー」は広範囲を高精度でスキャンすることで人や物体を検知。スキャンデータをICT技術と組み合わせることで、生産現場の人・モノの動きの解析による効率化や、高度なセキュリティシステムを実現する。Radiant Vision Systems社の「外観検査システム」はハードウェアと画像処理ソフトウェアを組み合わせてカスタマイズした、統合検査システムとしてリーディングポジションにある製品。今後急成長が見込まれる製造検査領域において、外観検査の自動化・統合化ソリューションの重要な役割を果たすと目されている。そして「マニュファクチュアリングコクピット」では経営指標や生産活動の実績データを構造化し可視化することで、生産現場と経営層とがリアルタイムかつ正確な情報共有をする。オペレーションの変化による生産活動全体への影響を把握・予測することで、迅速な経営判断や現場活動へのフィードバックを支援する。
こうしたサービスを基にコニカミノルタはものづくりの全プロセスの変革に貢献、生産性と仕事の質に対する課題解決を行っていく。激しい環境変化により厳しさを増す製造現場を変革するコニカミノルタのソリューション。同社による次世代のものづくり、デジタルマニュファクチュアリングに、今後も注目したい。