デジタルマニュファクチュアリングが
製造業を変革する
コニカミノルタが実現する「新しいものづくり」の形とは?
コニカミノルタはなぜ
Industry 4.0の発信地に姿を現したのか

毎年ドイツのハノーファーで行われる世界最大の産業技術専門国際見本市「ハノーファー・メッセ」が、今年も4月25日から29日にかけて開催された。全ての産業技術分野を対象とするハノーファー・メッセだが、ここ数年はあるテーマの産業技術を扱う企業がこぞって出展する見本市として大きな注目を集めている。そのテーマとは「Industry 4.0」だ。
ご存知のように、Industry 4.0とはドイツ政府が国を挙げて推進する戦略的プロジェクト。工場のデジタル化によって21世紀の製造業の様相を根本的に変える「第4の産業革命」として、現在ではドイツのみならずアメリカやヨーロッパ諸国でも取り組みが進む、いま一番「ホット」な領域のひとつだ。そんなIndustry 4.0のプラットフォームとなりつつあるハノーファー・メッセに今年初めてコニカミノルタが出展した。複写機やプリンターなどオフィス製品で有名な同社がなぜ、Industry 4.0の最先端に姿を現したのか――。
製造業のあり方を根底から変える
デジタルマニュファクチュアリングとは?
Industry 4.0が生まれた背景には、現在の製造業を取り巻く「3つの環境変化」がある。第一に生産コストの上昇。プロダクトの複雑化や人件費の高騰により生産コストが上昇するなか、生産効率性を高められなければ競争に打ち勝つことができなくなってきている。第二に消費者ニーズの多様化。かつての均一化した製品からそれぞれにカスタマイズされたものへと消費者の嗜好が移り変わるなか、そうした製品を迅速に市場へ投入する仕組みが市場から求められるようになっている。そして第三にICTやインターネット技術の発展。ビッグデータやクラウド、IoTといった先端テクノロジーを活用することでコスト削減や生産性の向上を実現、激しさの増す競争環境に対応しようと多くの企業が考えるようになったのだ。