セミナーレポート

経営戦略として考えるワークスタイル変革

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協賛講演
ビジネスを創造する新たなワークスタイル
~クラウドが『変化への対応力』を支える

越川慎司
日本マイクロソフト
業務執行役員 本部長
アプリケーション&サービス
マーケティング本部

 アプリケーション&サービスマーケティング本部長の越川慎司氏は、クラウドを通してさまざまなプラットフォームを使ってもらい「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」という米国マイクロソフト社のサティア・ナデラCEOが掲げるビジョンに触れ、働き方改革を支える同社のICTについて解説した。

 一つは、新しいコラボレーションプラットフォームとしてのICTだ。越川氏が使うプレゼンテーション資料は、クラウド上に置かれ、チームの部下のほか、米本社の営業や開発部門も作成に関与している。問い合わせも、Skype for Businessによる迅速なコミュニケーションで処理できる。二つ目は、Office 365のインテリジェント・ツールを使って、社員がインターネットにつながるIoW(Internet of Workers)による新しい働き方に言及。Excel、Power BIを使った手軽な分析を実演した越川氏は「全社員がツールを使えるようにして、自由と責任を持たせることがイノベーションにつながります」と主張。さらに、大量のメールなどの情報に埋もれずに業務を進めるため、関心のありそうな情報をクラウド側が見つけてくれるDelveの機能も紹介した。「さまざまなコミュニケーションがクラウド上で行われているため、Delveはそれを分析し、個人に最適な提案をできる。まさにAIによる働き方分析です」と付け加えた。最後に、同社クラウドの高度なセキュリティに触れた越川氏は「68万人 が訪れている品川オフィスでのわれわれの働き方を見に来てください」と呼びかけた。

業務改革事例
自分がこの世に生かされている理由
~ミッションから自分のワークスタイルを考える

岩田松雄
リーダーシップ コンサルティング代表
スターバックスコーヒージャパン
元代表取締役 CEO

 スターバックスのパートナー(店員)は、なぜ心のこもった接客ができるのか。同社日本法人元CEOの岩田松雄氏は「何のために働くのかというミッションを共有しているから活き活き働けるのです」と話す。組織の強さは、イノベーション力と起業家精神を備えた強い個人をどれだけ抱えられるか、で決まる。岩田氏は「ビジネススクールでは、経営の目的は株主価値の最大化だ、と教わりますが、私は違うと思います。企業は、事業を通じて世の中を良くするために存在し、利益はその手段です。そして、掲げられたミッションに共鳴した人たちが会社に集まるのです」と主張。個人の人生でも、好きなこと、得意なこと、人のためになること、の3点を手がかりに、この世に生かされる理由(=ミッション)を考えるよう訴えた。

 心臓移植のために渡米した少女の父親から、日本での最後の食事に、スターバックスのシナモンロールを食べたいという願いをかなえてくれた社員に感謝する手紙が届いたというエピソードを紹介した岩田氏は「ルール違反かもしれないが、『人々の心を豊かで活力あるものにするために』というミッションに従った行動」と賞賛。「本質において一致、行動において自由、すべてにおいて信頼」という言葉に触れ「ミッションに合致すれば、行動は自由だが、そこにはお互いの信頼が前提にある。これが組織の理想的状態」と語った。

日本マイクロソフト株式会社
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