日本アンガーマネジメント協会

怒りと上手に付き合うための心理トレーニング

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アンガーマネジメントで
生産性を高める方向に

一般社団法人
日本アンガーマネジメント協会
代表理事
安藤 俊介

アンガーマネジメントという考え方はいつ頃からあるのでしょうか。

安藤 1970年代に米国で開発された心理トレーニングが始まりです。現在米国では企業や行政機関、教育機関などで幅広く取り入れられています。

ご自身も米国で習得されたそうですね。

安藤 ニューヨークに本部のあるナショナルアンガーマネジメント協会には1500名以上のファシリテーターがいます。私は、最高ランクであるトレーニングプロフェッショナルに選ばれています。

―日本アンガーマネジメント協会は2011年の設立ですね。

安藤 日本でもアンガーマネジメントの普及が必要だと考えて立ち上げました。現在は企業や学校などを対象にした講座や研修の実施と、アンガーマネジメントファシリテーターの育成に力を入れています。研修は、長期的なアプローチで怒りにくい体質にする「体質改善」と、テクニックを駆使して怒りを素早く処理する「対処術」が二本柱になります。

―怒りのコントロールが企業に必要なのはなぜですか。

安藤 喜怒哀楽の中で怒りは、人間関係を壊してしまう危険のある感情です。たとえば、感情に任せて怒ればキャリアも壊してしまいかねませんし、パワハラで裁判になれば企業の信用も破壊してしまうことがあるのです。また怒りの感情はストレスがあると大きく発現し、生産性の低下や従業員の職場放棄などの問題につながります。一方、現在の若い人は怒られることになれていない方が多いですが、アンガーマネジメントを学べば怒る側にも怒られる側にもプラスに作用します。実際、米国では欠勤率の低下などの成果が報告されています。

―研修に対する企業からの引き合いや申し込みが急増しているそうですが、ストレスチェックの義務化と関係あるのでしょうか。

安藤 ストレスチェックの義務化については、後ろ向きにとらえる企業も少なくありません。しかし、アンガーマネジメントの手法を身に付けることで、上手に感情をコントロールすることができれば、プラスの作用につなげることが可能になります。スポーツの世界では、怒りの感情をポジティブに転換するすべを身に付けるトレーニングがパフォーマンス向上に寄与しています。ストレスチェックの義務化をきっかけとして、アンガーマネジメントを導入し、生産性を高める方向に進む企業が増えることを願っています。

―企業向けの研修はどのような内容ですか。

安藤 90分から2時間程度の短時間研修と、4時間以上の1日研修という2タイプがあります。ただ実際に研修を行う前にはスタッフが企業を訪問し、ご要望や条件などをお聞きして、カスタマイズすることも可能です。

いずれにしても1回で終わるのではなく、継続的にフォローアップしていくことで、より高い効果を得られるようになります。

お問い合わせ
日本アンガーマネジメント協会
東京都港区芝浦3-14-8
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