勝ちたいと思った瞬間、既に負けているワケ 有名麻雀プロが考える「成果を生む発想」
認めたくない自分を書き出す。そして受け入れる
20代の頃の私は、勝てば官軍、負ければ賊軍。単に勝つことだけに邁進していたので、麻雀を打っているときの様は、人として最悪中の最悪でした。麻雀は、最終的に点棒をいちばん多く持った者が勝ちとなります。したがってデータ収集と分析に基づき、勝つことに向かって効率と確率だけを追い求めて日々を過ごしていました。牌譜(将棋で言えば棋譜)分析ノートは300冊をゆうに超え、そこから導き出されたセオリーこそが絶対だと信じていました。
その頃に同卓してくれた人はよく知っていると思うのですが、感情むき出しで卓につき、嫌なことをされたら倍返しで応戦していたのです。相手に腹を立てる人間的な未熟さゆえに「なんでそんな牌を切るんだ!」なんて平気で言っていたのです。しかも勝っていたがゆえに、負けた人の気持ちを考えたこともなかったのです。今思えば本当に愚かな打ち手です。
そういった目に余る私の態度を真剣に叱ってくれた先輩プロがいました。このままではいかんと猛省した私は、当時参戦していたリーグ昇格を機に、ウィークポイント(弱さと欠点)の改善に本気で着手しました。
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