勝ちたいと思った瞬間、既に負けているワケ 有名麻雀プロが考える「成果を生む発想」

拡大
縮小

そんな牌たちから教わったことのひとつに「安全な選択に成長無し」があります。楽な選択をしても、決していい結果は生まれない。牌たちから教わった明快な答えです。

迷ったら、苦しいほうを選択する

書影をクリックするとアマゾンの販売ページにジャンプします

麻雀も日常も選択と決断の連続です。「迷ったら、苦しいほうを選択する」。

これを習慣にしていかないと、自分が伸びていくことはありません。つねに苦しいほう、もしくは面倒なほうを選択したほうがいいのです。

楽な選択をしてしまうと、自分ひとりになったときに元の自分に戻ってしまうものです。負荷がかかることを怖れ、今までどおりに戻ったら進歩はありません。この意識を習慣にしていくためには、決断し、行動に移したら途中でやめない癖をつけていくことが大切になります。

人生の選択においても「いや、間違った、ちょっと待って」が無いのと同じで、麻雀においてもリプレイとなる巻き戻しはありません。今回はやめておいて、次回また機会があったらやってみよう。この選択もだめです。選択に「また」はありません。結論を先延ばししているにすぎません。

失敗をしながら成長していくのが人間です。成長のためには失敗体験が必要なのです。成功も失敗も挑戦からしか生まれません。だから麻雀を打つときには、つねに負荷をかけて打っていく必要があるのです。

「第一打に字牌を切らない」私が自分に課している負荷のひとつです。麻雀では、字牌(東、南、西、北、白、發、中)から切っていくのが一般的な打ち筋ですが、私はあえてそれをやらないのです。

こうして日常においても、勝つことよりも克つことを目指すようになってからは、心が豊かになっていると感じています。これからも牌から愛される打ち手であり続けたいものです。

構成:福山純生(雀聖アワー)

土田 浩翔 最高位戦日本プロ麻雀協会特別顧問

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

つちだ こうしょう

1959年、大阪府生まれ。麻雀プロ。最高位戦日本プロ麻雀協会特別顧問。鳳凰位、最強位、王位、十段位、モンド21杯と獲得タイトル多数。後進のプロを育てながら、全国各地で麻雀の楽しみ方を伝えるべく教室を展開中。フジテレビ『THEわれめDEポン』『麻雀最極決定戦!サバイバルバトル極雀season1』他、喜怒哀楽を前面に出す対局解説でも人気。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT