アップバンクの蹉跌、荒稼ぎに元役員不正も 「第2のgumi」か、お粗末なIPOになる可能性

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アップバンクの本社。業績は右肩上がりが続く一方、ビジネスモデルやコンプライアンスで問題も

上場したばかりのベンチャー企業に早くも数々の疑惑が浮上している。

スマホのゲームやアプリのプロモーション、関連グッズ販売を行う、AppBank(アップバンク)が2015年10月15日、東証マザーズに上場した。だが同日8時には「広告など業務データが外部流出した」と発表。続く12月10日には「元役員による横領の疑いがある」ことも明らかにした。この間、上場して、わずか2カ月足らずだ。

目先の業績はいい。あくまで会社側の予想だが、2015年12月期の営業利益は7.2億円で、2期前が0.4億円だったのに比べると、飛躍的だろう。ただし、株価は上場来高値5220円から、現在は2000円前後へ暴落している。

アップバンクの前身は、ソーシャルゲームの問い合わせ代行などを行うガイアックス傘下の会社で、iPhoneのアプリレビューサイトを2008年に開設したことにさかのぼる。最初はゲームのレビューにすぎなかったが、膨大なページビューを収益化するために、2012年に独立した。

 「モンスト」や「パズドラ」の攻略を配信

上場が注目されたのは、設立4年でIPO(新規株式公開)を実現したのに加え、村井智建・取締役の存在も大きい。「マックスむらい」の名で、ミクシィの『モンスターストライク(モンスト)』やガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』はじめ、ゲームの攻略方法をYouTubeなどで配信。テレビ出演も多く、高い知名度を誇る。

アップバンクの場合、マックスむらい氏の動画やゲームの情報を配信することで、大量のページビューを獲得。集客力を当てにしたゲーム会社などから、タイアップ動画や記事広告を出稿してもらう広告主導型のビジネスで、急成長した。いわゆるステルスマーケティング(ステマ)が多いと指摘されたこともある。

何よりアップバンクで特異なのは、“リワード(報酬)広告”と呼ばれる手口だ。著名ブロガーのやまもといちろう氏は、上場前から問題視し、厳しく批判してきた。

リワード広告の仕組みを説明するとこうなる。

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