アップバンクの蹉跌、荒稼ぎに元役員不正も 「第2のgumi」か、お粗末なIPOになる可能性

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まずアップバンクが「モンスト攻略」の情報をユーザーに流す。と同時にアップバンクは、見に来た中高生などのユーザーに、モンストと関係ない「グノシー」など特定のアプリを、キャンペーンとして推奨。指名されたアプリをユーザーがダウンロードすると、モンストで使える「オーブ」(=アイテム、1個120円)を、無料でもらえる。

一方、グノシーなどアプリ提供会社は、この繰り返しで自社アプリのダウンロード数がカサ上げされ、ランキングの上位になることで、連動した広告収入を稼げる。

そしてアップバンクにとっては、モンスト攻略に載せたオーブのプレゼントキャンペーンをユーザーに閲覧してもらい、ダウンロードしてもらえば、回り回ってグノシーなどから収益を得られる、というメリットがあるわけだ。

これでユーザー、アプリ提供会社、アップバンクと、“三方一両得”が成り立つ。

不健全なアプリランキング

リワード広告を定点観測しているアップトーキョーの管理人は、アップストアのダウンロード上位200アプリのうち、「少ないときで3割、多いときで5割が、リワード広告で操作されたもの。ランキングの健全性を歪める行為だ」と批判。違法とはいえないが、前出のやまもと氏は、「プラットフォームを提供する米アップルからすれば、完全な規約違反」と手厳しい。

こうしたバッシングを受け、アップバンクは2015年6月、リワード広告からの撤退を決断。粗利率約5割という好採算ビジネスを失った。

つまずいたアップバンク流商法について廣瀬光伸・専務取締役は、「最初から、リワード広告は経営計画には織り込んでいない。成長戦略にも影響はない」と説明する。

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