「ボディソープでゴシゴシ」は洗いすぎです 乾燥肌を防ぐには毎日の入浴に秘訣あり

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浴用タオルもやわらかいものを選びましょう。かゆいからと全身を強くこすって洗う人がいますが、それではもちろん逆効果です。また、最近「手洗い」がはやっていて、常に手で洗うだけで、タオルでまったく洗わないという人がいます。しかし、手だけでずっと洗っていると、角質つまりアカが十分に落ちずに肌に残っていきます。角質が厚くたまると、うるおしても十分にいきわたらず、かえって乾燥する原因になります。ある程度角質は落とした方がよいので、週に一度くらいはタオルで洗いましょう。

体を洗う頻度ですが、毎日せっけんで洗うと洗いすぎになります。夏でも1日おき、冬は2~3日おきでよいでしょう。毎日浴槽につかることはよいですが、せっけんを毎日使うことは控えましょう。

入浴後の保湿クリームは必須

入浴後は保湿です。保湿クリームをきちんと塗る習慣をつけましょう。風呂上りは寒い、眠い、めんどうくさいなどといってきちんと塗らない人が多いのですが、湯につかるだけでも肌のうるおいは流れ出てしまうので、保湿クリームは必須です。

クリームの選び方は、あまり成分にこだわらず、しっとり感が持続するものを使いましょう。入浴後に塗ったら、次の日まで一日うるおいが続くものが適当です。塗っても翌朝乾いているようなものでは、保湿の意味をなしません。

洗い方を改め、保湿をきちんと励行してもなおかゆくてかいてしまう場合は、皮膚科を受診しましょう。あまり強くかいてしまうと、余計にかゆみを増して治らなくなります。色素沈着などの痕が残ることにもつながります。時間がたつほど治りにくくなるので、早めの受診をおすすめします。

また、乾燥性のかゆみと思っていたら、別の疾患が隠れていたということもあります。糖尿病、肝臓や腎臓の病気など、内臓疾患が原因で頑固なかゆみを起こす場合もあるので、やはり、なかなか改善しない強いかゆみがある場合は、皮膚科を受診しましょう。

吉木 伸子 皮膚科・美容皮膚科医院長

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よしき のぶこ / Nobuko Yoshiki

皮膚科・美容皮膚科「よしき皮膚科クリニック銀座」院長。皮膚科医。1993年横浜市立大学医学部卒業、 同年慶応義塾大学病院 皮膚科学教室に入局。1994年浦和市立病院(現さいたま市立病院)皮膚科勤務。1996年埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)のレーザークリニック勤務。その間、アメリカ・オハイオ州クリーブランドクリニック形成外科、日本漢方研究財団附属渋谷診療所にて、美容医療および東洋医学の研修を行う。日本美容学校皮膚科非常勤講師を兼任。
1998年「よしき皮膚科クリニック銀座」を開業、現在にいたる。TV出演や雑誌の連載など多数。主な著書に『美容皮膚科医が教えるあこがれ「美人」のつくりかた』(日本文芸社)や『いちばん正しいスキンケアの教科書』(西東社)などがある。
 

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