最強市民ランナーが少ない練習で勝てるワケ 「アマの星」川内優輝"育ての親"が語る
2007年の第1回東京マラソン開催が口火を切り、その後右肩上がりの勢いをみせるマラソンブーム。日本陸連公認コースでのフルマラソン完走者数だけでも、5年前の2.5倍に増えているといいます。
中でも働き盛りの30代後半から50代前半のビジネスパーソンが非常に多くなっています。たばこ、お酒、深夜食など……挙句の果てに健康診断で“メタボ”を宣告されるなど、不摂生を一通り経験し、走りに目覚めた市民ランナーたちが多いのです。
そんな市民ランナーの星であり、“最強の市民ランナー”と呼ばれているのが川内優輝選手(埼玉県庁)。その川内選手、現在の姿からは想像できないほど高校時代は無名の選手でした。箱根駅伝とは無縁の学習院大学に入学し、弱小の同校陸上競技部で出会ったのが、津田誠一監督(当時)でした。
いったい、どのようにして川内選手の才能を開花させたのでしょうか? 津田元監督の話を聞けば、現在の走りを見直すきっかけになるかもしれません。
"公務員ランナー"として有名になった川内優輝(埼玉県庁)は、私が学習院大で陸上競技部の監督を務めていたときの教え子です。
私の指導(練習)法は、当時も今も、週2回だけ集中して走力を強化する「ポイント練習」が軸。その他の日は、基本的に疲れを抜きながらジョッグをするというシンプルな内容です。
多くの市民ランナーは、通り一遍のジョッグをしたり、必要以上に高強度の強化練習をこなしたりして、練習の効率がよろしくありません。
メリハリを重視した練習法
その点、私の練習法はメリハリを重視しています。具体的には、週半ばの水曜に「スピード練習」(インターバル走やペース走)、週末の土曜に「距離走」(20〜30㎞)をします。
日曜に自己記録を狙うような本命レースがある場合は土曜を調整にあてたり、本命レースではなくても練習代わりにレースに出場したりと、そのへんは若干変則的です。
スピードや距離は、ランナーのレベルによって柔軟に変化させる必要がありますが、ここはひとまず川内を基準に話を進めることにします。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら