セーラー万年筆・中島氏がクーデターに反論 旧大蔵エリートが解職され、会社を訴えた
講演は知名度を高めるのに必要だった
――比佐氏らをはじめ、経営陣が12月14日に発表した、「異動の経緯に関する説明」の内容をどう考えるか。
彼らの主張は3つある。①講演会など私的な活動に時間を割いたこと、②仕入れ商品を持ち込んで事業化しようとしたこと、③得意先回りをしなかったことだ。
①の講演活動についてだが、私はIRや広報活動の一環として、積極的にやってきた。といっても、多いときで年間10回程度。セーラー万年筆は業績が不振で、十分な広告費を投入できない。この状況下、ブランドや知名度を上げるには、講演活動も必要だ。
私は、若手経営者の勉強会やロータリークラブ、学校からも呼ばれた。そこで、私の過去の経験や、セーラー万年筆の物作りの強さを話した。許可をもらい、万年筆の販売もしている。対外的な活動は、セーラー万年筆のブランドを高めたり、強さを訴えるのにいい機会だった。
彼らが一番問題にしているのは、②の仕入れ商品だ。特に、私が積極的に商品化した、「音声ペン」を問題にしている。これは、冊子に目には見えないドットが振ってあり、英語でも中国語でも、日本語でも、読み上げることができる。使いやすく、子どもから外国人まで、さまざまな層の人が使用できる。今では観光地や英語教育向けの引き合いが強い。2015年で収益はトントンに、2016年からは黒字になりそうだ。
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