斬新スマホ「NuAns NEO」は何が新しいのか 6人で作ったWindowsPhoneの誕生秘話

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その結果、スマートフォンはライフスタイルの中心、あるいは基盤とも言える存在になろうとしている。その直前、すなわちスマートフォンがコモディティとなっていく変節点ならば、ユニークな製品を提案できるのではないかと思うからだ。

前述したように毎年のように進化してきたスマートフォンも、”商品としての形”は落ち着き、世界の”スマホ工場”になっている中国・深センに行けば電気設計などを経験豊富なEMSと共同で行うことができる。

また、大手メーカーの多くがiPhoneをお手本に、”より良いiPhone”を追いかけている。先入観を捨ててゼロから商品コンセプトを作れば、別のユーザー層に訴求できるのではないか。

”今ならできるかもしれない”、”商品として成立させられるのではないか”。そんな話を星川とはしていたものの、実際にプロジェクトが立ち上がったのは今年(2015年)の春ごろである。

Windows 10 Mobileを採用したワケ

後付けカバーを被せるのではなく、最初から自分で選んだ外装を好みやファッションに合わせられるよう設計段階から考えて開発した

昨夏から今年の春まで、何もやっていなかったわけではない。しかし、前に進むにはいくつもの問題をクリアしていく必要があった。中でも大きかったのが、「Windows Phone問題」である。

いくつかの理由があって、星川氏と私はWindowsを採用したスマートフォンを作りたいと思っていた。ディスカッションを重ねての結論というわけではない。最初から二人とも、作るならばWindowsしかないと確信していたのだ。

Windowsを採用するスマートフォンのシェアは、グローバルでたった2%しかない。日本ではほぼゼロ。なぜそんなマイナーなプラットフォームを使うのか。なぜAndroidスマートフォンにしないのか。そんな疑問が当然、出てくるだろう。

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