斬新スマホ「NuAns NEO」は何が新しいのか 6人で作ったWindowsPhoneの誕生秘話

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NuAns NEOは外装を自由に選べるのが特徴。色、質感ともに異なるカバーを2つ組み合わせ、好みのスタイルで利用できる

11月30日、トリニティというスマートフォン向けアクセサリの開発・製造・販売を行う埼玉県新座市の会社から「NuAns NEO」というWindows 10 Mobileを採用するスマートフォンが発表された。社員数わずか14名と小規模な同社だが、創立10周年を記念する製品を開発するため、これまでは取り組んでこなかった”本体”の開発に挑戦した。

チームメンバーは6人。どうすればたった6人で他にはないユニークなスマートフォンを作ることができるのか。小さな物づくり企業が、どのようにしてスマートフォンを開発することができたのか。そして、どのようにして”ユニークさ”を盛り込むことが出来たのか。パートナーとして協力して頂いた企業や技術なども含め、可能な限りの情報を公開しながら、その背景を短期連載で紹介していきたい。

6人でスマホを作るプロジェクト

右から治田、青木(以上TENT)、永山、星川、中村、そして筆者

この製品の開発に携わっている同社の社員は、社長の星川哲視と社員の中村麻佑のみ。ここにデザイナーとしてTENTの共同代表である治田将之と青木亮作、フリーランスエンジニアとして永山純一、それに私自身(本田雅一)が加わった6人のプロジェクトだ。1月末の出荷に向けて、現在はプロジェクトにかかわる人数を増やしているが、基本的には6人だけで進めたプロジェクトだ。

昨今はスマートフォンを他社に供給する中国メーカーも増えてきたため、小さな会社でもスマートフォンを発売することは難しくない。日本で使用可能にするための手続きを行い、ある程度の台数調達を約束すれば、自社ブランドのスマートフォンを出すことができる。

しかし、我々が挑戦したのは、”他の誰もが作っていない”製品を生み出すことだ。世の中にすでに存在する商品ならば、自分たちで新たにデザインするよりも、既存製品の中から選んだ方がいいのだ。他社の開発・設計データなどは一切利用せず、商品コンセプトから機構設計、電気設計、各種仕様まで、すべて自分たちだけで開発したところに特徴がある。

次ページなぜ、今、スマートフォンに挑戦したのか
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