大王製紙の内紛に終止符、北越紀州製紙が仲介する理由

大王製紙の内紛に終止符、北越紀州製紙が仲介する理由

現経営陣と対立してきた大王製紙の創業家が、保有する大王の株式を同業の北越紀州製紙に売却する方向で最終調整に入った。交渉がまとまれば、北越が大王の株式約2割を約100億円で取得し筆頭株主に浮上する。北越の登場で大王グループを二分してきた9カ月間の混乱劇は収束に向かうのか──。

大王をめぐっては昨年秋にカジノ遊興費など巨額の不正貸付金問題が表面化。現経営陣は借り手で創業家3代目の井川意高会長(当時)を辞任させ、続いて実父の井川高雄顧問(同)を解任し、「脱創業家」による企業再建を図ろうとした。

その一環で、創業家が株式を保有し支配するグループ会社の株式買い取りや支配権獲得を模索したが、創業家が反発。両者の交渉は期限だった3月末を過ぎ暗礁に乗り上げた。

創業家とたもとを分かったことで大王の連結子会社数は37社から19社へと約半減した。連結から外れたグループ会社には、紙おむつやティッシュペーパーなど家庭紙製造の中核会社も多く、事業に支障が生じかねない不安定な状態が継続。これに対して、現経営陣は、福島県いわき市と静岡県富士宮市で新たな工場建設を予定していた。

一方、総額約107億円に上った意高氏の借入金残高はいまだ50億円を超える。関係者によると、「先頃、創業家側から大王へ残債額の1割相当の5億9300万円が返済された。返済額が小さいのはカジノ側への返済にも資金を回す必要があるからだろう」。カジノへの負債残高がどれだけあるかは不明だが、大王分と合わせた巨額返済原資の工面に創業家である高雄氏がそうとう苦労していたとの見方が強い。

そうした中、高雄氏が最後に頼った先が北越だ。

6年前に北越救った大王

2006年に北越に対して王子製紙が敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛けた際、北越にホワイトナイトとして救いの手を差し伸べたのが日本製紙と、当時まだ創業家が実質的に采配していた大王だ。

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