さて「就職四季報プラスワン編集部」では、就職活動を行っている学生向けに、さまざまなランキングを作成しているが、今回は設立の古さに注目したランキングを作成した。
有価証券報告書をもとに上場企業を設立の古い順番に集計し、トップ200社をランキングとしてまとめた。ここでいう「設立年月」は株式会社として登記した年月のこと。明治維新より前に誕生した企業も数多いため、本当の意味での「創業年月」を表しているわけではないが、上場企業を網羅的にみるために便宜上、設立年月を使用した。
上位を独占したのは地銀
ランキング上位5社には地銀が並ぶ。1872年に制定された、日本最古の銀行法令である国立銀行条例に基づき設立された銀行だ。
1位の第四銀行は社名の数字が示すように日本で四番目に設立された銀行で、現存する中ではもっとも古い銀行だ。新潟県地盤で預金額は4兆円超と地銀の中では上位にある。県内貸し出しシェアは約3割で首位。とくに新潟市や上越地区ではシェアが高い。県外にも9店あり、首都圏では住宅ローンに力を入れている。千葉銀行、中国銀行、伊予銀行、北國銀行、東邦銀行と基幹系システムを統合するなど、県のワクを超えて業務展開している。
2位の十八銀行1877年の設立で、長崎県を地盤にする中規模の地銀だ。県内シェアは貸出金、預金ともに30%超。このところ、地銀同士の経営統合が増えているが、十八銀行は独自路線を堅持している。
第6位は1881年に設立された太平洋セメント。セメントの国内シェアは約35%で業界首位。米国、中国、フィリピン、ベトナムに生産拠点を持つほか、韓国メーカーに出資している。2010年にはセメント需要が落ち込んだため、国内工場の一部で生産停止して人員の削減も行ったが、東日本大震災の復興需要で復活した。廃タイヤ、廃プラ、下水汚泥などのリサイクル事業も行っている。
第7位は商船三井。株式会社として設立は1884年だが、海運事業の開始は三井物産が1878年に石炭の海上輸送を開始したことに始まる。同社は日本郵船、川崎汽船と並ぶ海運大手3社の一角だ。船隊規模では世界トップ。鉄鉱石や石炭などを運搬する大型バラ積み船の船隊整備で他社に先行している。原油タンカー、プロダクトタンカー、LNG船などエネルギー船でも世界最大級を誇る。
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