東芝を巻き込む、ストレージ業界再編の荒波

2兆円の巨額買収に各社の思惑がくすぶる

東芝とサンディスクが合弁で運営するフラッシュメモリの四日市工場

「東芝にとって、事業売却のチャンスだ」――。米国を中心に進むコンピューターのストレージ再編に、複数の市場関係者はそう口にする。

10月21日、米ウェスタンデジタルは、米サンディスク・コーポレーションを約190億ドル(約2兆円)で買収すると発表した。

両社はともに、コンピューターのデータを記録するストレージの大手。ウェスタンデジタルは、パソコンやデータセンターに使用されるハードディスクドライブ(HDD)で最大のシェアを誇る。

一方で、買収の対象となったサンディスクはNAND型フラッシュメモリを展開している。(iHSテクノロジーによれば、サンディスクのシェアは2014年で3位)。

急成長するSSDがHDD市場を侵食

数年前まで、コンピューターのストレージはHDDが主流だったが、最近は処理速度が早いフラッシュメモリを使ったSSDに市場を侵食されている。今回の買収により、ウェスタンデジタルのHDDとサンディスクのSSD、両方を備え持った巨大ストレージ企業が誕生する。

サンディスク幹部は「HDDが使われる製品もあり、全てがSSDに置き換わるわけではない。両方を持つことで1+1以上の関係になる」と相乗効果を力説する。

東芝は、HDDとSSDの両方を手掛けており、サンディスクとウェスタンデジタルの双方と関係が深い。特にサンディスクとは三重県・四日市でフラッシュディスクの合弁会社を持ち、共同で設備投資を行う重要な提携先だ。

合弁解消も懸念されたが、ウェスタンデジタルとサンディスクは関係継続を表明。東芝も、買収が発表された21日に、四日市工場の新・第2製造棟の一部が竣工し、サンディスクと共同で設備投資を実施する正式契約を結んだと公表している。

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