20代の男女が「恋愛をしにくくなっている理由」は、下記の3つです。
「恋愛をしにくい」3つの理由
1番目の理由は、不安定な雇用や給料が少ないという「経済的な事情」です。
さとり世代は、バブル崩壊後の1990年代以降の「失われた20年」に生まれ、育ってきた、いわば「不景気しか知らない世代」です。
中でも、20代前半は「第2次就職氷河期世代」。収入も雇用も不安定で、結婚・恋愛をしたくても、将来をまじめに考えれば考えるほど、簡単には踏み出せなくなっています。
先に挙げた調査で「結婚相手に求める年収はいくらか」と20代女性に聞いたところ、「400万円以上」が26.2%、「300万円以上」が23%でした。さとり世代の女子も、この数字を見るかぎりかなり現実志向と言えますが、同世代の男性たちの給与はさらに低水準で、非正規雇用の比率も高くなっています。
同じ調査で「現在の収入では恋愛も結婚も難しい」と答えた独身男性が、なんと63.4%に達しました。「経済的な不安」「雇用の不安」から、さまざまなプレッシャーを感じ、結婚・恋愛におよび腰になってしまうのです。
さとり世代の最大の特徴は、「中高生のときから携帯電話を持ち始めた、日本で最初の世代」ということです。この「ケータイ」、とりわけ「SNS」が、20代の人間関係の形を大きく変えています。
誰かに会うと、まずSNSでつながる。いったんつながると、関係は途切れずに続く。大げさにいえば、「『絶縁宣言』をしなければ、過去の知り合いとは関係が途切れない状況」に置かれているのです。
「SNSでつながると、連絡がとりやすく、恋愛も盛り上がるのでは?」と上の世代は想像しがちですが、それはまったく逆です。
誰もがSNSでつながる「SNS村社会」では、いろいろな情報が「筒抜け」です。「AくんとBさんが2人で街を歩いていた」「彼氏彼女がいるのに、違う相手と食事をしていた」という情報は、SNSによって一瞬に仲間内に広がります。
また、「Aくんは、Bさんに告白して振られた」「Aくんは、Bさんに対して、ひどい別れ方をした」という情報も、SNSを通じて瞬時に駆け巡ります。
そんな状況では、なかなか異性にアタックできないし、告白して失敗したときのダメージが大きすぎます。誰もが恋愛に一歩踏み出すことを躊躇する。情熱を燃やしてひとり暴走するような「イタイ」人にはならないようにと、過剰に周囲に配慮してしまうのです。
つまり、「つながりすぎる」人間関係が、恋愛のブレーキになっているのです。
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