「自分のことで忙しい」人が結婚する3つの条件 53歳新婚さんが結婚するまでの長い軌跡

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自分のことで忙しい人は、どうすれば結婚できるのか?(イラスト:堀江篤史)

35歳以上で結婚した「新婚さん」を訪ねる本連載も30回目を迎える。インタビューの蓄積をもとに日本社会の晩婚化の要因分析、などは筆者にはできない。しかし、女性に比べると男性のやる気が低すぎることは痛切に感じている。

いや、彼らにも「いずれは結婚をしたい」という意思はある。問題は、期限を設けた具体的な行動や判断をしないことだ。心身が健康で、ちゃんと仕事もしていて、結婚願望があるにもかかわらず、出会いを積極的に求めようとせず、デートを重ねても恋愛や結婚に至らない人が少なくない。なぜなのか。一度、真正面から問いかけてみたい。

「海と川」に熱中していた松村さんの場合

筆者の友人たちがNPO組織で運営している「東京世話焼きおばさんの縁結び(以下、世話オバ)」に相談したところ、ぴったりの男性を紹介してくれた。今年の夏に結婚したばかりの松村浩二さん(仮名、53歳)だ。世話オバのお見合いパーティーで妻になる麻子さん(仮名、39歳)と出会ったのはなんと3年半前。年齢も年齢、いったい何をグズグズしていたのかと聞きたくなるのは筆者だけではないだろう。

インタビュー取材を快諾してくれた浩二さんが希望した街は東京・蒲田。平日は急いで仕事を終えても夜8時にしか帰れない、とのこと。蒲田で行きたい店はないかと打診したところ、釣り魚を出す「Tsu-Fu」という居酒屋を教えてくれた。行ってみると、鮮度も調理もハイレベルで、接客は個性的だが親切、値段も良心的な店である。この店を指定した時点で、浩二さんは「大人の女性とデートできる男性」だと筆者は感じた。

約束の時間どおりに現れた浩二さんは、半袖シャツと短髪がよく似合う清潔で健康なおじさんという印象。年相応の外見ではあるが、話し方は明朗かつ対等で「オジサンっぽさ」は感じない。学生時代からのきさくな先輩と話しているような気持ちになる。

聞けば、20代半ばからシーカヤックやサーフィンにハマり、休日の大半を海や川で過ごして来たという。親子ほど年の離れた仲間もいて、仕事でもプライベートでも年の差を意識することはほとんどないらしい。ならば、遠慮せずに聞かせてもらおう。50代になるまで恋愛をして来なかったのですか。

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