日本企業は「AI技術」を使って何をするべきか

世界では技術の争奪戦が始まっている

AI技術の争奪戦が始まっている(写真 : leungchopan / PIXTA)
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)に関するニュースを聞かない日がなくなってきた。銀行のコールセンターにもAIによる応答支援が入り、今月10月に入ってアップルがAIによる音声認識のベンチャー企業であるボーカルIQを買収した。シリコンバレーの巨大企業をはじめグローバルで企業のAI技術の争奪戦が始まっている。
AI、IoT関連のプロジェクトを手掛け、経営共創基盤取締役とIGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス代表取締役も務める塩野誠氏が「日本企業のAI、IoTの取り組み方」について語る。
(聞き手は東洋経済オンライン編集部)

 

――AIやIoTに関連した事業プロジェクトは、どの程度進んでいるのでしょうか。

企業によって濃淡はありますが、ほとんどの経営者はAIやIoTに「産業構造が変わってしまうんじゃないか?」という漠然とした不安を感じています。アンドロイドOSやクアルコムのチップのように気づいたらデファクトスタンダードを取られているかもしれない不安です。あとは「インパクトはありそうだが、本当に儲かるのか?」や「AIをやらないと、われわれはどうなってしまうのか?」といった声も聞きます。経営者が「ウチもAIで何かできないか調べてくれ」と社内に指示を出した段階だと言えるでしょう。

現場は混乱

――「AIで何かできないか?」とふられた現場はどうなっているのでしょうか。

現場は混乱しています。かなりの大企業でも部門ごとにリテラシーの差があり、「AI、ビッグデータ、IoT、インダストリー4.0などが混ざってしまってよくわからない」という部門もあります。プロジェクトとしては経営者を含めてそのメカニズムを理解するところがスタート地点です。

――メカニズムというと?

センサしたデータをアルゴリズムという自動的に「問題を解く式」によって解析し、出力するというプロセスです。アルゴリズムはコンピュータ言語によってプログラミングされます。

順番に言うと、センサ→データ→アルゴリズム→出力となり、センサはハードセンサとソフトセンサに分かれ、たとえばハードセンサには温度計や、スマホにも入っているジャイロ(角速度計)があり、ソフトセンサはインターネットのSNSなどがあります。センサによってデータが収集され、アルゴリズムで解析されて答えが出ます。

この出力が出力デバイス、たとえばアクチュエータ(駆動装置)につながって物理的動作になればロボットになります。IoTもモノのセンサやデータポイントからセンサ→データ→アルゴリズム→出力のメカニズムで動きますが、ネットワークを通じて人間ではなく他の機械にされることによって機械同士がコミュニケーションすることもできます。いわゆるM2Mです。

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