こんにちは。女性活用ジャーナリスト/研究者の中野円佳です。この連載も12回目を迎え、今回で最終回となります。
拙著『「育休世代」のジレンマ』が世の中に出てから、丸1年が経ちました。本を出して数カ月経った頃に、「女性たちから共感の声は得られても、結局彼女たちのいる会社が動いてくれないと多くの問題が解決されない」と感じました。
私が約8年務めた新聞社を辞めた理由のひとつは、より広く女性と育児とキャリアの問題について、世の中に発信して実際に解決につなげたいという思いがあったからです。この連載も随分多くの人に読んでいただくことができ、感謝しています。
退職してからのこの半年は、実際に日本のカイシャが「女性活用に失敗しない」状態になるには何が必要なのかということにも真剣に向き合ってきたつもりです。チェンジウェーブという会社のメンバーとして、企業側からの女性活躍推進やダイバーシティ推進関連のご相談を受けてきました。
その中で感じたのは、結局のところ女性だけでなく会社全体で「働き方」の問題に取り組まないと、効果は限定的にしかならないだろうということです。今回は、働き方の問題と女性活躍の関係、そして働き方改革に成功している企業の事例とそのポイントを紹介したいと思います。
女性の離職率や登用率が低いのは「働き方」の問題
女性が会社であまり活躍できない理由を掘り下げていくと、主に次の3つに整理できることが多いと感じています。
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