「ラグビーW杯史上、最高の試合だった。よくやった!エディー」
9月19日、日本代表が世界ランキング第3位(当時)の南アフリカを破ったあの試合は「ラグビー史上最大の番狂わせ」と言っていいだろう。上のコメントは、2003年大会で優勝したイングランドを率いた監督、クライブ・ウッドワード卿が日本のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)を称賛したものだ。ちなみに同大会決勝ではジョーンズHC率いる豪州を延長の末、イングランドが北半球の代表として初の優勝に輝いている。
日本と南ア、配当の差はなんと10万倍
そんな「プロ中のプロ」が称賛するエディーJAPANの南ア戦での勝利。戦前は日本からシルバーウィークに合わせて訪英したサポーターを含む、ラグビー界に関わるほぼ全員が「南アの勝利」を確信していたことだろう。
それは数字の上でも明らかだ。英国の公認とばく・ブックメーカーは、南アフリカ勝利に対し1.001倍、日本勝利に最大113倍のオッズを付けた。仮に1000ポンド(約20万円)を南アに賭けても、たった1ポンドしか配当が出なかったのに対し、日本に同額をつぎ込めば、ロンドン郊外にマンション一室が買える11万ポンドまで膨らんだ計算だ。つまり、どちらに賭けたかによって配当の差は10万倍以上も違った。
翌日の各紙は、スポーツ紙だけでなく一般紙も日本の勝利を1面で大きく報じたが、トップに並んだ各紙の見出し以上に世界中のラグビーファンへのインパクトは大きかった。文句なしに、ラグビーの歴史に残る試合、と皆が認めたからだ。なぜなら過去のW杯の歴史上、本戦で南アに勝ったのはニュージーランド、オーストラリア、イングランドの3チームしかなく、しかもグループリーグでは過去1回しか負けていない(2003年大会、対イングランド戦)。
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