ゴルフ人気コーチ、プロ試験合格で狙う変革

"自分たちのことしか考えない"に危機感

これまでは指導者として知られてきた中井学氏。今後は、PGAライセンスを持つ”プロゴルファー”の一人として、さまざまな問題が絡み合うゴルフ界を変えていきたいと語る(写真提供:日本プロゴルフ協会)
9月上旬、テレビや雑誌で活躍しているプロゴルフコーチの中井学氏が、日本プロゴルフ協会(PGA)のプロテストに合格したことが話題となった。PGAが認定するプロゴルファー資格には二つある。一つはトーナメントに出場できる技量を備えた「トーナメントプレーヤー」、もう一つは指導能力などを評価する「ティーチングプロ」。中井氏が今回取得したのは、前者のトーナメントプレーヤーなのだ。
しかも、プレ予選、第1次、第2次、最終と試合を経て合格した55名中、2位タイの好成績だった。これから実際にトーナメントに出場するには、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が実施するクォリファイングトーナメント(QT)に出場し、ファイナルで上位に入らないといけないが、今回の合格でプロゴルファーとしての実力を証明したのはまちがいない。コーチとしてすでに名声を得ている中井氏が、なぜトーナメントプレーヤーの資格を得たのか。その理由を聞いた。

 

――プロテストを受けたのは、自分のゴルフ理論が正しいことを証明したかったからですか。

それだけではありません。自分がツアーに出たいという思い、ゴルフ界はこのままじゃまずいという強い危機感もありました。ゴルフ界は一蓮托生ですから、どこかがおかしくなると、みな影響を受けるんです。ゴルフ場、ツアー、メーカー、練習場、協会・・・みなつながっているはずなのに、自分たちのことだけを考えて、連携を取ろうとしていない。

ゴルフ界には曖昧なところがありますが、指導者の世界にもそれが言えます。PGAが認定しているティーチングプロは約5400人。JGTOのツアープレーヤーの資格を持って教えている人もいます。そのほか、法人格のない団体が免状を出していますし、資格を持たずに教えている人もたくさんいる。全部含めて約1万人いるといわれています。私は1999年にJGTOが実施するQTのファーストを通っているので、ツアープレーヤーを名乗っていましたが、これまでPGAの資格は持っていませんでした。

――PGAのティーチングプロでなくても、メディアで活躍している人気コーチはたくさんいます。

この資格を持たずに教えている有名コーチは多いです。資格がないと教えてはいけない、というわけでもありませんから。ここは難しいところで、資格という後ろ盾がないために中身で勝負しようと工夫している人がいる一方で、資格を持っていても、その先の努力をしない人もいる。

スクールによって指導がバラバラ

――たしかに、PGAの倉本昌弘会長は食べていけるティーチングプロが少ないと話していました(関連記事:奔走する倉本昌弘PGA会長が胸の内を語った)。

世界的に活躍する日本人プロが少なくツアーが盛り上がらないのは、指導者にも責任があると思っています。ナショナルチームのシステムが確立している韓国では、コーチたちが集まって指導方針の意思決定をしています。

――韓国人プロゴルファーのスイングって、みなきれいですよね。

右足の粘りや体全体を使うところなど、根幹で似ている部分があり、どこにいても同じ指導が受けられるともいえます。日本では、たとえば新宿と渋谷のスクールで言っていることが違うというように、差別化に意識が向いている。基本よりオリジナリティを重視している。

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