ピンタレスト創業者「エンブレム騒動は残念」 画像共有サービスの正しい使い方を指南

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ピンタレスト創業者のエヴァン・シャープ氏は「誰の創作物かということを大切に考えている」と話す(撮影:今井康一)
華々しい発表からたったの1カ月余り。デザイナーの佐野研二郎氏が制作した2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレムについて、大会組織委員会は9月1日、使用を中止し取り下げることを決めた。この間、佐野氏をめぐっては、エンブレムの「盗作疑惑」が指摘されたほか、エンブレム以外の作品についても画像の無断転用などを指摘する声が相次いだ。
一連の騒動の中で、佐野氏が利用した可能性が話題に上ったのが、米国の画像共有サービス「Pinterest(ピンタレスト)」だ。2010年にサービスを開始したピンタレストは、月間利用者(MAU)が世界で1億人。スマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)で閲覧し、「ボード」と呼ぶ掲示板に好きな写真やイラストを投稿・共有することができる。この五輪エンブレム騒動について、共同創業者のエヴァン・シャープ氏が初めて口を聞いた。

 

――日本では五輪エンブレムの騒動が波及する形で、ピンタレストが注目された。どう受け止めているか。

佐野研二郎氏が実際にどのようなデザイン活動をしていたかについては知らないが、騒ぎの中でピンタレストが話題になったことは、私の耳にも入ってきた。私自身、建築デザイナーだったこともあり、インスピレーションを得るツールとしてサービスを開発してきた。

ピンタレストはアイデアを盗むためでなく、集めたアイデアからひらめきを得て、あくまで自分のオリジナルなモノやデザインを作るためのサービスだ。ネガティブな話題の中で取り上げられてしまい、本当の価値を一部の人には誤解されてしまったことを、一人のデザイナーとしても、とても残念に思っている。

「盗用問題」が起きたのは日本だけ

エヴァン・シャープ氏のピンタレストの画面

――ピンタレスト利用者にはデザイナーも多い。日本以外でも盗用などの問題について、似たような事例が起きたことはあるのか。

日本以外ではこのような問題は起きていない。かなり独特な状況だ。

そもそも、ピンタレストは画像をクリックすると、画像を掲載している元サイトに飛ぶ仕組みになっている。誰の創作物であるかということを大切に考えているからだ。

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