大王製紙と北越紀州、再びバトルに着火

資本関係をめぐって対立が先鋭化

大王製紙の三島工場(愛媛)。CBで調達した資金の一部をこの工場の設備投資に投入する

6月の株主総会での対立以来、膠着していた製紙大手の大王製紙と北越紀州製紙のバトルが、再び燃え上がっている。

発端は、9月1日、大王が転換社債型新株予約権付社債(転換社債、CB)の発行を公表したこと。本誌の取材に対し北越紀州の岸本セキ夫社長(セキは「折」の下に「日」の字)は、「大王にはCB発行の撤回を要求した。裁判所への差し止め請求も検討中だ」と強い口調で語った。

だが、差し止め請求は裁判所の手続き上、払い込み期日の9月17日には間に合わない可能性が高かった。17日の期限が近づく中、北越紀州は社外取締役として大王に派遣している近藤保之氏(北越紀州の執行役員)を通じ、CB発行の是非を再度審議するよう大王側に請求。それに基づき16日には大王の臨時取締役会が開催されたものの、同CBについては当初予定どおりの条件で発行することを確認する決議がなされるにとどまった。

北越紀州は売り上げ規模で大王の半分程度ながら、大王の発行済み株式の21%を保有する筆頭株主だ。北越紀州にとって大王は持ち分法適用会社、すなわち広い意味でのグループ会社である。

にもかかわらず、両社の間には、資本関係をめぐる争いがここ数年絶えない。そうした中、北越紀州の反対を押し切って強行された大王のCB発行が火に油を注いだ。

CB発行の発表後、株価は急落

大王が300億円のCB発行を発表したのは、9月1日の東京株式市場が引けた直後。株価終値1429円に対し、転換価額は0.98%を乗せた1443円とした。

翌2日、大王の株価は終値ベースで255円安、下落率は東証1部トップの18%。その後も7日には一時1000円の大台割れ寸前まで下落、1日終値との比較では最大28%もの下げ幅に達した。

「300億円の資金調達をするためのCB発行で、株主は(時価総額で)600億円の損失を被った」と岸本社長は憤る。9日午後、北越紀州が大王に対しCB発行撤回要求を出していることが一部で報じられると、それまで日経平均株価の急反発にもかかわらず低迷していた大王の株価は急伸。やはりCB発行が株価に影響していたようだ。

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