キーエンス、なぜ最高益でも株価乱調続く

ファナックショックだけじゃない、弱点とは?

「幅広い業種向けに好調」「中国でも省力化向けの引き合いは多い」と山本晃則社長

過去最高の業績を達成したにもかかわらず、株式市場は手厳しかった。

工場自動化向けのFA(ファクトリーオートメーション)センサー大手、キーエンスの株価が決算発表後も乱調を脱せない。7月21日に一時、7万円大台という過去最高値をつけたキーエンスの株価は、同じFA向け機器大手のファナックが今年度の通期業績予想を下方修正した「ファナックショック」の余波で、29日には6万円スレスレまで急落した。

ファナックの下方修正の主因は中国スマートフォン需要の減速。高収益のFA関連企業として「第2のファナック」と目されることの多いキーエンスも、この「中国減速」の影響を受けるのではないかと懸念されたのだ。

ところが、キーエンスが7月31日に発表した2015年4~6月期の業績は、期待外れに終わったファナックとは異なり、4~6月期としては過去最高の売上高、営業利益、純利益を達成。それにもかかわらず、キーエンスの株価は回復せず、週明けの8月3日には一時、3月上旬以来となる5万円台まで突っ込んだのだ。

ファナックと異なり「中国減速」はかわす

キーエンスの足元の業績は順調だ。2015年4~6月期の実績は、売上高が前年同期比21%増の880億円、営業利益が同26%増の458億円、純利益が同30%増の315億円と大幅な伸びを見せた。売上高に対する営業利益の割合を示す「売上高営業利益率」は実に52%(前年同期は50%)と半分を超え、これも過去最高の水準となった。

同じFA向けを主力とするファナックの業績が「中国減速」の影響を大きく受けたのに対して、キーエンスはどこが違ったのか。

決算発表直後の記者会見でキーエンスの山本晃則社長は、「国内・海外ともに電機・精密・自動車・機械・半導体・電子部品・液晶・食品・医薬品業界など幅広い業種向けに好調だ」と説明。

そのうえで、中国でのFAセンサー需要については、「マスプロダクト(量産品)向けはたしかに減速感があるが、中国では人件費の高騰や人材確保が難しいなどの問題があり、工場自動化による省力化向けの引き合いは多い。マスプロ向けがマイナス、自動化向けがプラスで、今のところ計画どおり」と話し、中国事業全体では減速していないと強調した。

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