シリコンバレー企業の資金調達、退潮の兆し 「ユニコーン企業」UberやAirbnbに打撃も?
[サンフランシスコ ロイター] - シリコンバレーでのベンチャー企業による資金調達の波が、引いていく兆しを見せている。企業価値が株式公開の時点でピークを超えてしまっているのでないかとの懸念が背景だ。
調査会社CBインサイツによると、評価額が10億ドル以上のこうした非上場会社は132社ある。タクシー配車サービス企業ウーバー・テクノロジーズ(Uber)、空き部屋賃貸仲介のエアビーアンドビー(Airbnb)、メッセージングアプリ会社のスナップチャットなどだ。
中国経済低迷への不安で株式相場が荒れた一週間を経て、数百万ドルの資金調達を目指す企業にとって状況は厳しくなっている。望みどおりの条件で投資を呼び込むのは無理かもしれない。
「資金調達を予定している企業の多くは現在、期待されてきたバリュエーション(株価評価)を満たすのに苦戦し、再評価を迫られつつある」と、ベンチャー企業NEAのジョン・サコダ氏は述べた。
ユニコーンといえども選別
2013年にカウボーイ・ベンチャーズのベンチャー・キャピタリスト、アイリーン・リー氏が「ユニコーン」と名付けた(一角獣のように希少で巨額の利益をもたらすと信じられている)ベンチャー企業の数々は、過去数年間に調達資金を急激に増やしてきた。
たとえばAirbnbは2011年以降、数億ドル単位の資金調達を3回にわたって実施。今年6月に15億ドルの調達契約を結んだことで、同社の評価額は255億ドルまで跳ね上がった。ベンチャーキャピタルが出資している企業としては世界3位の規模だ。