ユニコーンのブームはどこまで行くのか? 再びITバブルが弾ける懸念
今、米国西海岸で最もバブリーな企業はどこか。グーグル? フェイスブック?リンクトイン? いや、IT系ベンチャーを中心とする、評価額10億ドル(約1250億円)以上の「ユニコーン」企業だ。
「ユニコーン」とは、シリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)であるカウボーイ・ベンチャーズの創業者が2013年11月、米IT系ニュースサイト『テククランチ』で使い始めた言葉だ。上場前の非公開企業、というところがミソである。
フォーブス長者番付の新顔はユニコーン創業者
アプリで写真や動画を共有する、ロサンゼルス本拠のモバイル・メッセージングサービス、スナップチャット。世界50カ国以上に進出し、既存のタクシー業界に揺さぶりをかけるタクシー配車サービス・アプリ・ベンチャーのウーバー(サンフランシスコ)。米欧やアジアなどに拡大中の空室賃貸仲介ベンチャー、エアビーアンドビー(サンフランシスコ)――。
多くの米国人が一度は使ったことがあるであろう人気の「シェアリング・エコノミー(共有型経済)」だ。共有型経済とは、個人のモノやリソース、サービスを分かち合うことで成り立つビジネスのことである。ウーバーでは一般のドライバーやマイカー、エアビーアンドビーでは一般住宅などの空室を使うため、従来の企業より運営費が安上がりに済むことも強みだ。
また、「従来の業界を超えた『グローバルな巨大市場』を相手にすることで、収益も評価額も膨らむ」と、IT企業やVCをクライアントに持つ、マサチューセッツ州ボストン在住の戦略アドバイザー、マックス・デュフール氏は分析する。
スナップチャットの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)を務めるエバン・スピーゲル氏(24)。タクシー業界への挑発的な言動で知られるウーバーのトラビス・カラニックCEO兼共同創業者(38)。エアビーアンドビーのブライアン・チェスキーCEO(33)。いずれも、3月に発表された米『フォーブス』誌「2015年・世界長者番付」のニューフェイスだ。スピーゲル氏は、共同創業者のボビー・マーフィー氏(26)とともに、「世界長者番付・若者編」のトップを飾っている。
エアビーアンドビーの評価額は約100億ドル。スナップチャットは約150億ドル。ウーバーにいたっては、400億ドルを優に超える。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら