ラーメン店の新潮流は注文後に「麺から作る」

ファストフードならぬスローフードが流行?

喜多方ラーメン 820円。化学調味料不使用ゆえの爽やかな仕上がり。小麦粉の風味も感じる自家製手打ち太麺も生き生きとしている

外食店の運営において、注文(オーダー)を受けた料理はできるだけ早くお客に提供するのが望ましい。顧客満足度(CS)の観点はもちろん、お客をなるべく多く入れ替えて回転させることが、売り上げを稼ぐことにつながるためだ。

特にその傾向が重視されるのはラーメン店である。昨今の評判のラーメン店は、舌の肥えたお客を満足させるための味へのこだわりから、原価率が35%を超えることがほとんど。お客をできるだけ回転させ、いわゆる“薄利多売”にしないと黒字化できない傾向が顕著になっている。ましてや東京都区内など大都市は賃料も高く、そば店や居酒屋などとは違い、粗利の大きいアルコールの販売も期待できない。ラーメン自体の杯数を稼がないと運営が成り立たないといわれる。

オーダーを受けてから麺を作る

そこに真っ向から勝負を挑むラーメン店が今年7月に誕生した。東京・八丁堀の『麺や 七彩(めんやしちさい)』。東京駅地下のラーメン集合施設「東京ラーメンストリート」から移転オープンしたお店だ。店主は藤井吉彦さんと阪田博昭さん。2人は店舗プロデュースなども行っている。

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オーダーを受けてから、小麦粉と水とかんすいを合わせ始める光景に、新たなラーメンの可能性も感じる

『麺や 七彩』は、なんとオーダーを受けてから「麺」を作り始める。小麦粉と水、かんすいを混ぜる、いわゆる“水回し”から始め、こねて、延ばして手切りし、そしてゆでる。時々、オーダー後にそばを打つお店もあるが、ラーメン店は「製麺してから数日置いて使用する」というのが常識とされる。しかもお客の回転を考えると、オーダーしてから作り始めるのは時間がかかりすぎる。

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