司法修習同期のカップルがいつ誕生したか、などという統計が世の中に存在するはずもなく、正確なところは無論不明だが、筆者が知る限りでは25期には同期同士で結婚した夫婦が居り、すでにその時点で特別珍しいケースではなかったことは確かだ。
修習同期のパターンもいくつかあり、修習所で出会うケース以外では、そもそも大学の学部時代から交際していて一緒に司法試験を目指し、同時に合格というケースや、学部時代は学年が違ったが、学年が上の方の合格が遅れ、結果的に同期になったというケースもある。
修習中の結婚も特段珍しいわけではなく、合格まで待たせていた婚約者がいる場合や、一緒に司法試験を目指して来たカップルに多い印象だ。
修習中に出会い、挙式、離婚というケースも
学部の同級生の女性と一緒に司法試験を目指し、同時に合格、修習開始後間もなく結婚した旧試世代の男性弁護士は「万が一にもほかの修習生に奪われたくなかったので、合格直後からさっさと話を進めた」という。
実際に弁護士登録をして働き始めたら、当初数年間は仕事に没頭するケースが多く、結婚どころではなくなる。そう考えて、ある程度時間的に余裕がある修習期間中に結婚してしまうという判断もあるようだ。中には修習中に出会い、結婚し、離婚までしてしまう場合もあるという。
ただ、今後はそんなケースが減るかもしれない。修習64期(2010年11月入所)までは修習生に給料が出ていたので、修習中でも固定収入が得られたが、それが現在は貸与制になっており、その影響が少なからずあるようだ。実際、「準備だけしておいて、入籍したのは弁護士登録をして収入が得られるようになった時点」(65期の弁護士)という声もある。
とはいえ、やはり修習中にパートナーを探す傾向は今も強い。この背景には、ロースクール制度発足後に合格年齢が上昇し、そのことが女性弁護士に現実的な選択を迫っている面がある。社会人経験がある65期の女性弁護士は「出産もしたいので自分の年齢は自覚せざるを得なかった。当初から修習期間中に結婚相手を決めようと思っていた」と、当時の心境を語る。
この女性弁護士は、修習で知り合った同期と弁護士登録と同時に結婚し、就職先の法律事務所も「産める体制が整っているかどうかを確認した上で選んだ」という。出産を望む女性弁護士の場合、「結婚はいつでもご縁があったときでいい」というわけにはいかない。
また、ロースクール世代らしい傾向として挙げられるのは、法科大学院時代の同級生同士という組み合わせが増えてきているという点、そして、中には在学中に結婚するケースもあるという点だろう。
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