「不倫ビジネス」が成功?世界最大サイトの謎

会員数は世界で3400万人、日本で180万人!

不倫をするのにも、安全とプライバシーは必要だ(wavebreakmedia/PIXTA)
薬指に指輪をした女性が口元にそっと指をあてて「シーッ」。意味ありげな写真の下には「人生は一度だけ。不倫しましょう」という挑発的な文字が躍る。カナダ発のアシュレイ・マディソン(Ashley Madison)のトップページはいかにも怪しげだ。
2002年に設立した同社は、既婚男女のための出会いサイトを運営。臆することなく「世界最大の不倫サイト」とうたう。名前や電話番号など個人情報を提供する必要がないのが売りで、登録者数は今や世界で3400万人に上る。登録するのは無料だが、気に入った相手とメールのやり取りなどをするのは有料だ(女性は無料)。
日本には2013年に進出。会員数は180万人を超える。モラル的に完全アウトな不倫”あっせん”ビジネスが、着々と世界に広がっている理由とは。日本を訪れた国際事業ディレクターのクリストフ・クレイマー氏に聞いた。

――今回の来日の目的は。

日本のアシュレイ・マディソンの会員数は180万人を超える

実は2日前まで韓国にいた。「姦通罪」が廃止されたことに伴って、アシュレイ・マディソンに対するサービスの禁止令も解かれたので記者会見を行った。一方、日本は現在、売り上げで米国、カナダ、オーストラリア、ブラジルに次ぐ5番目の大事な市場だ。今のところ、収益及び会員数の半分以上は北米が占めているが、日本、そしてサービスを再開した韓国で売り上げ、会員数とも大きく伸びている。この成長トレンドが続けば、遅くとも2、3年内にアジア事業が私たちの収益、会員数の半分以上を占めることになると見ている。

4秒に1人が新たに加入している

Christoph Kraemer●ドイツ出身。米イエール大学卒業後、ドイツに帰国。BMGやソニー・ミュージックでアーティストのマーケティングなどに従事。スペイン・バルセロナのESADEでMBAを取得後、2011年にアシュレイ・マディソンに入社。2013年から現職。

――もちろん、ビジネスとしてやっているとは思いますが、ビジネスメディアから取材を受けることはあるのですか。

もちろんだ。会社としてアシュレイ・マディソンは大きな成功を収めている。設立当初の事業計画では3年内に黒字化を目指していたが、実際は6カ月で黒字化した。2014年の売上高は1億1500万㌦と前年比約4割伸びた。粗利益率も55%と非常に高い。多くの会社がこのような成長を続けられるわけではない。

――創業者のノエル・バイダーマンCEOは弁護士だそうですが、その彼がなぜこのサービスを立ち上げようと思ったのでしょうか。

ノエルがトロントの空港で新聞を読んでいて、女性記者が書いたある記事に目を留めたことが創業のきっかけだ。その記事はオンラインデートサイトの終焉について書かれていた。なぜなら、彼女が実際にネット経由で出会った10人のうち、3人が「本物の愛」ではなく、浮気相手を求めていたからだ。

この記事は面白いヒントを与えてくれた。つまり、「自分に不誠実な人」と付き合った挙げ句、名前や電話番号など個人情報を握られる危険性があるということだ。そこで私たちは、浮気相手を求めている人たち専用のプラットフォームを作ったらいいんじゃないかと考えついたんだ。

現在は46カ国に展開していて、24の言語で提供されている。2014年末の会員数は3400万人と、前年比35%伸びた。4秒に1人加入している計算で、ネットワーキングサイトの中ではトップクラスだ。

サービスを始めたときは、ニッチ市場を狙っていたのだが、現在では有料のネットデートサイトでは世界二番目の規模を誇るまでに成長した。これは考えてみれば、非常に筋が通っている。なぜなら、従来のサービスは独身者が対象だが、だいたいの国の人口における独身者の比率は10~20%に過ぎない。対して、アシュレイ・マディソンはその逆、80~90%の人たちを対象としているのでパイが大きい。

――新規会員はどうやって募っているのですか。たとえば「ニューヨーク・タイムズ」紙などに堂々と広告を出すことはできなそうですが・・・。

多くの国では倫理的な理由で、ほかのネットサービスが使うような、マーケティングチャネルはほとんど使えない。一部の国ではトップメディアのサイトに”普通の“バナー広告を出すこともできるが、ほとんどは検索広告だ。

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