楽じゃない?イマドキ弁護士の恋愛と結婚 彼らはどうやって「人生の伴侶」を得るのか

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未修者(3年コース生)がロースクールでもっとも挫折しやすいタイミングが、2年に上がった直後だという。既修者と一緒の授業が始まり、実力の差に愕然とし、自分はこれから2年間勉強を続けても到底合格レベルには達しないと悟るのだという。

もっとも、司法試験の勉強をしていると地方公務員の試験には受かりやすくなるので、司法試験を諦めた人が公務員になるなどして職を得る場合もある。するとその時点で結婚し、相手がロースクールを卒業して司法試験に合格するまで生活を支えるという例もある。

ここまで在学中の同級生同士、修習同期同士などの場合を見てきたが、もちろんそれ以外にも出会いのパターンはある。

戦後間もない時期までに活躍した大物弁護士の回顧録を読むと、妻が師匠にあたる大物弁護士の近親者であったり、名家の出であったりすることがよくある。戦前の弁護士は、裁判官や検事に比べ社会的地位が低かったとされているが、一部の大物弁護士はやはりスーパーエリートであり、政界にも今では考えられない強力なパイプを持っていた。それだけに、婚姻関係も特権階級同士の組み合わせになるのは当然だったのだろう。

弁護士の世界にもある「3メートル婚」

それに比べると、現代の弁護士はかなりの大物でも特権階級のにおいがまったくと言っていいほどしない。加えて、自分の娘の婿に弟子を指名して事務所を継がせるというようなことも「大昔はあったような話も聞くが、自分の知る限りかなり上の先輩でもそういう人はいない」(40歳代の弁護士)という。

修習地が地方都市の場合、男性弁護士には「かなり頻繁に合コンの話が舞い込む」(63期の弁護士)。中には地方局の女子アナとの合コンもあったそうだが、かといって「合コンで知り合った相手と結婚したという話はあまり聞かない」(同)という。

司法修習同期以外だと、男性弁護士の場合は、裁判所の事務官や同じ事務所の女性事務スタッフもよくある組み合わせだという。いわゆる「3メートル婚」は弁護士の世界にもあるということだろう。

弁護士事務所の秘書というと、優雅な5時即ライフを想像する人もいるかもしれないが、そういう弁護士秘書はもはや絶滅危惧種に等しい。弁護士の業務は「紙」の作成・保管に膨大な手間暇がかかる。インターネットがこれだけ普及しても、裁判所に提出する書面は未だに紙。法曹界の作法やルールに従えば膨大な量の紙との格闘になる。

忙しい弁護士ほど秘書も忙しい。一緒に過ごす時間はおのずと長くなる。同じ目的に向かい、成果が上がった時の喜びを共有するうちに恋愛関係に発展する、ということは、当然にある。

だが、時にはそれが不幸な結果を招くこともある。ボス弁が重用している有能な秘書と不倫関係に陥った弁護士が、所属していた事務所を逐われるといったことも、現実に起きている。

さらに「弁護士は 10 代から20 代前半の時期に遊んでいないためか、こと女性に関しては初心な人が多く、中高年の弁護士が女性で身を綽ち崩す例は多い」(弁護士の不正迫及サイト「弁護士と開う!」主催者)という。

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