初代社長が語る、JR東海の「観光列車論」

東海道新幹線は観光列車になりうるのか

JR東海の初代社長を務めた、須田相談役。鉄道を観光資源としてどう活用すべきと考えるのか(撮影:尾形文繁)
JR東海の須田寛相談役は、国鉄分割民営化により1987年に同社が発足した際の初代社長である。鉄道愛好家の集まりである「鉄道友の会」の会長を務めるなど須田氏自身、鉄道ファンとしての顔も併せ持つ。
そんな須田氏が現在取り組んでいるのが、歴史的・文化的に価値のある産業文化財や産業製品を観光資源として活用する「産業観光」の推進だ。140年の歴史を持つ鉄道を、観光資源としてどう活用すべきか。須田氏に聞いた。

鉄道には4つの役割がある

――鉄道をどのように観光資源にできるのでしょうか。

観光における鉄道の役割は4つある。

まず、観光地へ行くアクセス手段としての鉄道。これは原点ですね。2番目は、鉄道に乗ること自体を観光とする。最近、あちこちに観光列車というのがありますね。列車自体が観光資源になっている。

3番目に、鉄道に乗らなければ見ることができない景色というのがある。代表的なのが「鉄道3大車窓」。それ以外でも、鉄橋を走っている列車から下を見下ろす風景もすばらしい。4番目は鉄道遺産。廃線跡、古い駅。これは私どもが持っている産業遺産です。

――日本で一番古い駅が武豊線にありますね。

亀崎駅(愛知県半田市)です。建物資産標には「明治19年」と書いてある。武豊線の開通した年です。

当時、名古屋港がまだ港として完全なものではなく、しかも駅と港が離れていた。一方で、武豊にはよい港があった。そこで、武豊港と熱田を結ぶ鉄道ができた。名古屋付近の鉄道はこうして始まった。その時にできた駅舎が、今も使われている。

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