「ベルマークの仕分け作業のため、平日の日中に召集がかかるんです。『絶対休んじゃダメ』と言われるから、その都度、仕事を休んで参加しています。1円にも満たないマークもあるんですよ。そんなものを切り貼りするために、有給使うんですよ? 『倍のお金を寄付するから勘弁して!』って、心の底から思います」
「30人で半日作業して、たった数千円分ですから、かかる手間に対して成果が小さすぎますよね。前もって日にちがわかっていればパートの日はずらしておけますけど、『この時間にもっと稼げるよ』って思う……」
「やり方が古すぎます。一刻も早くなくしてほしい!」
なお、ベルマーク活動を担っているのは99%が母親です。これまで筆者が取材した中で、活動に参加したことがある男性はひとりだけでした。
ほかのPTA活動も実作業を担うのは母親が多いですが、中でも最も母親率が高いかもしれません。ベルマーク活動は、父親も母親も「男がするようなことではない」と考える人が多いようです。
自校の備品を買うと、自動的に寄付もできる
そもそもベルマークというのは、どんな目的で、どのように始まったものなのでしょう? ベルマーク教育助成財団・広報の小菅幸一さんに聞きました。
「ベルマーク運動が始まったのは、1960年です。その数年前(1957年)に、へき地校に勤務する先生たちが朝日新聞に対して、戦後十数年が経っても教育環境が整わないことについて、アピール文を寄せたことがきっかけとなりました。
そこで朝日新聞が“継続的にへき地校を支援できる形”を検討した結果、『自校のために備品を購入すると、自動的にへき地の学校に寄付できる』というやり方を生み出したのです。
たとえばベルマークで溜めた点数で1000円の商品を購入すると、900円は協力会社(ベルマークで買える商品を提供している会社)に支払われ、残り100円は自動的に財団に寄付されます。財団がこのお金を、へき地校などに寄付するのです。
当初、支援対象はへき地校だけでしたが、今では養護学校や盲学校などの特別支援学校や、被災した学校などにも寄付を行っています」
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