ホンダ新型「アコード」万人に受けるセダンだった 乗ってわかったシーンを問わない万能さに驚く

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新型アコードのリアデザイン
新型アコードのリアデザイン(写真:三木宏章)

ほかにも新型アコードには、ホンダセンシング360の新機能として、駐車をほぼ自動で支援する「Honda・パーキングパイロット」も搭載する。これは、例えば、並列駐車の場合、駐車スペース横に車両を停車させ、専用スイッチを押せば、車両が駐車枠を検知しセンターディスプレーに表示。駐車可能な枠を幾つか表示するため、希望の枠を指でタッチすればシステムが作動。ステアリングやアクセル、ブレーキをはじめ、前進・後退などのシフト切り替えまで、一切の操作を自動で行ってくれるというものだ。

もちろん、ドライバーは、周囲の安全を確認するほか、まさかの時に備えステアリングやブレーキなどの操作をできる状況にしなければならない。だが、狭い駐車スペースへクルマを停めるのが苦手なドライバーなどにはありがたい機能だ。しかも、このシステムは、駐車枠がある場所の並列駐車や縦列駐車、斜め駐車に対応。駐車枠のない場所でも、並列や縦列の駐車、縦列出庫を可能としている。

セダン回帰なるか、今後の行方

会場に展示されていたイグナイトレッド・メタリックのボディカラーが眩しい新型アコード
会場に展示されていたイグナイトレッド・メタリックのボディカラーが眩しい新型アコード(写真:三木宏章)

以上から新型アコードは、ワインディングから高速道路、市街地まで、幅広いシーンでドライバーの要求へリニアに対応してくれるクルマだといえる。また、コーナーをハイペースで走ればスポーティな面をみせてくれるし、高速道路などをゆったりと走れば心地良さも提供する。その高い安定性は格別だ。ドライバーだけでなく、助手席や後席などの乗員にも、快適な移動空間を提供する。

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今回は後席での移動は体験しなかったが、幅広いシーンでクルマに大きな挙動が起きないため、きっと乗り物酔いするケースも少ないだろう。より多様な乗員のニーズに対応する快適性が生む安心感、それを具現化しているという点で、このクルマは非常によくできていると思う。

なお、新型モデルは、先述のとおり、2024年3月8日より発売中で、販売計画台数は月間200台。試乗した2024年3月14日現在で、ホンダによれば、「180%の受注が入っている」とのことだから、出足は好調のようだ。SUVが活況の現在、かつてほどセダンモデルは売れないものの、ホンダのフラッグシップとして登場した11代目が、今後どのように市場からの反響を得るのか注目だ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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