ホンダ新型「アコード」万人に受けるセダンだった 乗ってわかったシーンを問わない万能さに驚く

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実際に、各モードで同様のやり方をやってみたが、いずれも渋滞で前のクルマが停車したときを除けば、ブレーキペダルを一切踏まずに、車速や車間の調整しながら走ることができた。減速セレクターは、この点も加味すれば、ワインディングでコーナーを楽しむだけでなく、下り坂などでより安全性を向上させることもできる機能といえるだろう。

高速道路でも安心感と余裕が増した

高速道路でも、料金所から本線への合流や、法定の最高速度までの加速などで余裕ある走りを実感できた。例えば、80km/h程度までの比較的ゆるい加速から、前車に追いつくため100km/hへ一気に加速する際などは、アクセルを踏み込む操作に対し、出力が素早く反応し、ストレスを感じさせない。また、今回は新東名高速道路の最高速度120km/h区間も走ったが、より高い速度域の登り坂でも、走りは極めてスムーズだった。

後席も広く、とくに足元にゆとりがあるので、ゆったりと移動を楽しめそうだ
後席も広く、とくに足元にゆとりがあるので、ゆったりと移動を楽しめそうだ(写真:三木宏章)

新型モデルのハイブリッドシステムは、こうしたシーンでエンジンモードを継続する設定となっていることが、こうした余裕ある走りを生んでいるのだろう。ホンダのe:HEVでは、前述のとおり、高速道路などエンジンの得意領域では主にエンジンの駆動力で走行するエンジンモードへ自動で切り替わる。だが、先代モデルでは、80km/hなどのゆるい加速時には、エンジンで走行しモーターで走るハイブリッドモードに切り替わり、燃費を優先する。その後、車速を上げようとアクセルを踏むと、再びエンジンモードに切り替わる設定となっていた。その際、従来の仕様では、切り替え時に出力のロスが生じる場合もあった。

その点、新型はエンジンモードの継続によりその問題を解消。さらに、ゆるい加速時にはバッテリーのアシストでエンジンの作動負荷も低減するなど、エンジン回転数を低く抑えることで、静粛性も両立する。実際に高速道路の走行時でも、室内はとても静かだった。加速時の唸るようなエンジン音はもちろん、ロードノイズなどの雑音もほぼ聞こえない。そのため、12ものスピーカーを搭載する「BOSEプレミアムサウンドシステム」から流れる70年代ロックなど、筆者が好みの音楽もじっくりと堪能でき、心地よいクルージングを味わえた。

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