「AIバブル崩壊」の可能性をマジで考えておこう 「2000年のあのとき」とかなり似通っている

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2000年にはじけたドットコムバブル。ナスダック総合指数は同年の5000ポイント超から2004年の1000ポイント割れまで、約5分の1に下落した(写真:AP/アフロ)

3月11日発売の『週刊東洋経済』(3月16日号)の特集は「株の道場 4万円時代に買える株」である。おいおい、恥ずかしくないのか君たちは。いくら『会社四季報』で稼ぐ東洋経済新報社といっても、こんなふうに相場をあおってはいかんだろう。

あ、そうか、まったく同じ週でライバル誌である『週刊ダイヤモンド』も特集は「日本株沸騰!」、『週刊エコノミスト』は「株価4万円突破!勝つ投資」であった。経済誌がそろい踏みで株高を寿(ことほ)いでいる。

「日経平均の最高値更新」は米国株高と円安のおかげ

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします)。記事の一覧はこちら

およそ「商い」というものは、安いときに仕込んで高いときに売るのが道理。日経平均株価4万円前後の水準で投資のビギナーを誘うのは、控えめに言っても良心的な行為とは言いがたい。

とはいえ、たぶんこれで雑誌が売れてしまうのであろう。出版社としては、ニーズがある商品を作らない手はない。株の特集を組むのは、自然の摂理というものである。

投資家心理は不思議なもので、株価が高いときに買いたくなって、安いときには売りたくなるものだ。ゆえに長くやっていると、ごく自然に「負け組」が増えるという仕組みになっている。

世にあまたある投資入門書は、いかにしてこのトラップ(わな)を回避するかという点に重点を置いている。経済評論家の故・山崎元氏の「インデックス投資でじっと待つ」という戦略も、「高値で買って安値で売る」という初心者の陥りがちな失敗を避ける意味があるのだと思う。

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