ギリシャがデフォルトしたら、どうなるのか 投機筋のシナリオ通りに動くと、日本株は?

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しかも、次のシナリオもすでに書き上げている、といわれる。有力シナリオの一つは、以下の通りだ。

投機筋は何を考えているのか

まず、ギリシャ離脱で一瞬下げたユーロや欧州株は、その後は一気に反発する。その頂点のところで、また売るのである。

そして、次は、ギリシャのEU(欧州連合)からの離脱、さらには「EC」、つまり「欧州のコミュニティー」からの離脱を材料に、波乱の巣を作ろうとしているのだ。

もし、ギリシャがいわゆるアフリカ化、中東化する、つまりイスラム国などの過激派が進出する危険性が増大する、ということにでもなったら、投機筋の思うつぼだ。

地図を見たらわかる通り、ドイツから見て、ギリシャは自国よりもアフリカや中東に近いのだ。だから、ドイツにとってはさして重要ではないが、さりとて、一気にヨーロッパコミニティーから追い出すことまでは好まないだろう。

つまり、極端な話、ドイツにとってギリシャは中途半端なままでもいいということだ。それゆえ、下手にドイツが策を出して、巻き返しを図る、ということになると、相場は上下にぶれる可能性がある。これもまた、投機筋の思うつぼかも知れない。とにかく、ギリシャ問題はいろいろな意味で超長期化すると筆者は見る。

 さて、肝心のアメリカはどうか。

幸いなことにアメリカのマーケットの動きから推察すると、利上げタイミングの材料は、ほぼ織り込んだと思われる。

つい最近までずっと続いていた景気指数に対する「逆反応現象」(強い経済指標は、「利上げ早まる」で売られ、弱い指標は「利上げ先送り」で買われる)は、明らかに終わり、経済指標に対して強ければ素直に株が買われるようになった。

そして、ナスダック指数が一時史上最高値を更新したことは、金利上昇を横目で見ながら株が上昇する、いわゆる「業績相場」に入ったことを示している。まさに、イエレンFRB議長の作戦勝ちと言ったところだ。

 ただし、だ。アメリカにも投機筋はもちろん居る。簡単に安定などさせないはずだ。まだまだ、神経質な相場を演出するだろう。

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