衰退の危機「喜多方ラーメン」復活を狙う男の正体 3000円ラーメンに苦情殺到も…町の再生に奔走

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まさに極上の名に恥じぬ一杯だが、こんなに豪勢にしても喜多方ラーメンらしさを感じるところが何より凄い。喜多方ラーメンの底力を感じる一杯だ。

喜多方市のリブランディング事業として始まった企画だが、こういうラーメンは枠からはみ出ていないことが大事だ。

3000円で提供しているラーメンで、もちろん賛否あることはもともと想定済みだったわけだが、作っている職人が喜多方ラーメンの枠の中でこだわっていると言い切れることが大事なのだ。

江花さんと記念撮影する筆者。ラーメンを愛する者として、その挑戦は深く胸に響いた(筆者撮影)

「ラーメン店を続けるということは、自分のラーメンとは何なのかを見つける旅にほかなりません。繁盛店はみんなその積み重ねで今日まできています。そのそれぞれの店の歴史が伝統を作り、今に続いているのです」(江花さん)

若い職人たちととも、喜多方の再生が始まった

後継者不足などの影響で、近年、横綱クラスの老舗の閉店ラッシュが続いている喜多方。ピーク時には127軒あったラーメン店が今や80軒弱にまで減っており、何もせずにいれば、さらに厳しい状況になることは間違いない。

しかし、一方では事業を継承し2代目となった若い職人たちもいる。こういった若い世代とともに、一致団結して喜多方のラーメン文化をさらに発展させるべく、江花さんはこれからも奔走し続けていく。

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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。

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