山崎元、余命宣告されて伝えたかった「幸福」の正体 「豊かさ・お金」と「自由」があればいいのか?

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たとえば、自分にできること、すなわち自由の範囲が大きいことは一般に幸福だとされている。一方、「好きなこと」で稼いで豊かさを得ることは簡単ではない。

むしろ、好きではないことを我慢して稼ぐことが、豊かさへの近道になる場合が多い。

このように自由を我慢してお金に換える交換回路がある一方で、お金があれば、行きたいところに行ける、立派な家に住める、果ては「トロフィー的配偶者」まで手に入る(何のためかは別として)といった自由の範囲の拡大が可能になる(下図)。

出所:『経済評論家の父から息子への手紙』

※外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

仮に左下から出発するとして、右回りで右上を目指すか、左回りで右上を目指すか? 世間には左回りが多いように見える(下図)。

出所:『経済評論家の父から息子への手紙』

お金と自由とは緩やかに交換可能だ。

ちなみに、父の職業人生を振り返ると、こんな感じだろうか(下図)。

出所:『経済評論家の父から息子への手紙』

大まかには左回りだ。金融マンとしての後半(外資系証券会社に転職以降)は、そう楽しいものではない時期があった。評論家比率が増えて自由度が増してから楽しくなった。

お金では買えない「ナチュラルに」モテる状態

いくつかの「基準」の組み合わせを試して考えてみた。

すると、一点「モテ具合」という項目が異質で、どうやら妙に重要らしいことが分かった。

各種の経験や豪邸の所有のような自由はお金で買える。名声も買えないことはない。ある種の人間関係までもお金で買えないことはない。

しかし、ナチュラルにモテるという状態をお金で買うことは、難しい。そして、「ナチュラルに」モテているのでないと、本人はかえって精神的に屈折してしまう。

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