日経平均、2万円割れが現実味を帯びてきた 外国人投資家は日本株を「売り逃げ」している
まずは急ぎ足でこの2週間の日本株を振り返ってみよう。
前回のコラム「日本株は、むごいことになる恐れがある」では、かなり強いトーンで国内株価下落の可能性を示唆した。コラム掲載の翌日6月1日(月)、日経平均株価は日中(ザラバ)高値2万0595円まで値を伸ばしたものの、同コラムでの「今週の日経平均の予想」で上限とした2万0600円を超えることができず、国内株価は反落に入った。
当初は緩やかな下落にとどまっていたが、9日(火)には特に材料がないなか、日経平均は360円も下落。その翌日である10日(水)も、いわゆる「黒田発言」で米ドル円相場は午後に急落(円は急騰)、やはり株価を前日比マイナスに押し下げる結果となった。
株価の変調は6月以降に起きたわけではない
結局、前週末の12日(金)にかけて株価は急速に持ち直したものの、12日(金)は前日木曜日の欧米株価が上昇し、為替相場も落ち着いていた割には、極めて上値が重かった。
一見、先週の株価急落や急速な円高は、「突然起こったことだ」と考えておられる読者の方も多いかもしれない。だが、実はそうではなく、その前から明確な兆しがあった。
筆者は、前回のコラムでは、5月後半の国内株価上昇は、外国人短期筋の吊り上げの様相が強いこと、吊り上げても国内個人投資家がなかなか買い出動せず、短期筋から「じれた声」が聞こえていること(つまり、短期筋が我慢できずに投げる可能性が高いこと)、欧米株価がすでにピークアウトの様相を強めていることなどから、いずれ外国人短期筋の売りによる、海外株連動の日本株の下落が生じると述べた。
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